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都道府県別の平成27年合計特殊出生率を再計算-東北大

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2016年06月08日 PM12:30

厚労省による計算方法の問題点を改善

東北大学は6月6日、5月に厚生労働省が公表した平成27年の合計特殊出生率について、同省による計算方法の問題点を改善し、都道府県別の合計特殊出生率を再計算したと発表した。この研究は、同大大学院経済学研究科 高齢経済社会研究センターの吉田浩教授らの研究グループによるもの。


画像はリリースより

合計特殊出生率は、15歳から49歳までの年齢別出生率(母の年齢別の出生数をその年齢の女性人口で割った値)を合計することによって計算される。厚労省が「」で公表した全国値の合計特殊出生率の計算方法をみると、分子の出生数、分母の女性人口とも、外国人を含まない日本人のみのデータを用いて計算されており、分子と分母の整合性が取れている。しかし、都道府県別の合計特殊出生率は、分子の出生数は日本人のみのデータであるのに対し、分母の女性人口については資料の制約から外国人を含む総人口のデータを用いており、分子と分母の整合性が取れていない。

このような計算方法の違いにより、厚労省が毎年発表する都道府県別の合計特殊出生率は、全国の値よりも分母に外国人人口が含まれる分だけ小さめに計算されており、両者は単純に比較できないと、研究グループは指摘。高齢経済社会研究センターは、全国値と比較可能な平成27年の都道府県別の合計特殊出生率を再計算したとしている。

茨城県、山梨県、兵庫県は全国値を上回っていた可能性

その結果、厚労省の計算では、全国値1.46以下とされていた14都道府県のうち、茨城県、山梨県、兵庫県の3県の合計特殊出生率は、実際は全国の値を上回っていたであろうことが明らかになった。さらに、都道府県ごとの順位も大きく入れ替わり、厚労省の公表値では第10位となっていた福井県は第6位、第14位となっていた長野県は第11位、第27位となっていた愛知県は第22位、同じく第27位となっていた岐阜県は8位分も上昇し、第19位という結果になったという。

この指摘は、平成27年第189回国会でも取り上げられ、政府は今後、同研究にならった算出方法に修正する旨を答弁。同研究が日本の人口政策策定指標の改善に寄与したとしている。

なお、今年9月頃に厚労省が公表する「人口動態統計(確定数)」では、平成27年国勢調査の結果を反映して、分母に日本人人口を用いた都道府県別の合計特殊出生率が公表される予定。確定数の値は大部分の都道府県で概数から上方修正され、同研究グループによる再計算値に近いものとなると考えられる。

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