医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医薬品・医療機器 > オピオイド誘発性便秘症治療薬「ナルデメジン」の承認申請をFDAが受理—塩野義

オピオイド誘発性便秘症治療薬「ナルデメジン」の承認申請をFDAが受理—塩野義

読了時間:約 1分17秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2016年06月08日 PM12:00

審査終了目標日は2017年3月23日

塩野義製薬株式会社は6月6日、オピオイド誘発性便秘症治療薬「」(一般名)の新薬承認申請が、)に受理されたことを発表した。申請は、同社米子会社のShionogi Inc.が2016年3月に行っていた。

ナルデメジンは、消化管に存在するμ-オピオイド受容体に結合しオピオイドの末梢性作用に拮抗することにより、消化管でのオピオイド鎮痛薬の副作用を緩和する末梢性μ-オピオイド受容体拮抗薬。米国における同剤の適応症は、「成人非がん性慢性疼痛患者におけるオピオイド誘発性の便秘症」を予定している。

今回の新薬承認申請受理は、FDAが提出後の審査期間において申請に係る書類が十分に完備されていることを確認し、本格的に同申請の審査を開始したことを意味するもの。なお、処方薬ユーザーフィー法(PDUFA:Prescription Drug User Fee Act)に基づくFDAの審査終了目標日(PDUFA date)は、2017年3月23日とされている。

日本では2016年3月30日に製造販売承認を申請済み

今回の承認申請にあたり、第3相臨床試験「COMPOSEプログラム」のデータが提出されている。同試験では、非がん性慢性疼痛の治療のためにオピオイド鎮痛薬を服用中で、オピオイド誘発性の便秘症(opioid-induced constipation:OIC)を呈する患者を対象に、ナルデメジンの有効性・安全性についてプラセボとの比較が行われた。

OICは、オピオイド鎮痛薬が脳内のオピオイド受容体に作用して強い鎮痛作用を示す一方で、腸管のμ-オピオイド受容体に作用することで腸の活動を低下させ、引き起こされる。OICは患者のQOLを低下させるだけではなく、オピオイド鎮痛薬治療の中断につながるなど、疼痛管理の阻害要因にもなるといわれている。

なお、同剤は、日本においても2016年3月30日に製造販売を承認申請済み。適応症としては、「成人におけるオピオイド誘発性の便秘症」を予定している。

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医薬品・医療機器

  • 2025年1月より社長交代で新たな体制へ‐アレクシオンファーマ
  • ミリキズマブの炎症性腸疾患に対する長期持続的有効・安全性データを公開-リリー
  • 転移性尿路上皮がん、一次治療における新たな選択肢への期待
  • 心臓ロボット手術用の部位を見やすく展開するプレートを開発-大阪公立大
  • 新たにオンコロジー領域に注力し「2031年までに年平均成長率8%を目指す」‐GSK