骨転移のあるCRPC患者の全生存期間延長
バイエル薬品株式会社は6月1日、骨転移のある去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)の治療薬「ゾーフィゴ(R)静注」(一般名:塩化ラジウム-223)を発売した。
画像はリリースより
同剤は、日本で初めてのアルファ線を放出する放射性医薬品で、骨転移巣に対して抗腫瘍効果を発揮する。有効成分であるラジウム-223 は、主にアルファ線を放出する放射性同位元素で、これはカルシウムと同様に、骨塩(ヒドロキシアパタイト)複合体を形成することにより、骨、特に骨転移巣を選択的に標的とする。
国際共同第3相試験においては、骨転移のある去勢抵抗性前立腺がん患者の全生存期間を有意に延長することが確認されており、2013年にEUおよび米国で発売以来、世界40か国以上で使用されている。
CRPC患者の9割に骨転移、身体障害や死亡リスク増加
前立腺がんは日本でも増加しており、2015年の国立がん研究センターの発表によると、2011年に新たに前立腺がんと診断された男性の患者数は、肺がんを抜いて胃がんに続き第2位となり、約7万8,700例と推計されている。
前立腺がんの治療の手術または放射線治療に続く薬物療法では、内分泌療法が第一選択となるが、数年後には抵抗性が生じ、この状態をCRPCという。転移性のCRPC患者のおよそ9割が骨転移を有し、このことはCRPC患者における身体障害や死亡のリスクを増加させるため、早期に骨関連の症状を診断し治療することは、患者にとって非常に重要な意味を持つとされている。
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・バイエル薬品株式会社 プレスリリース