医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医薬品・医療機器 > 日本初のアルファ線放出医薬品「ゾーフィゴ静注」発売-バイエル

日本初のアルファ線放出医薬品「ゾーフィゴ静注」発売-バイエル

読了時間:約 59秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2016年06月03日 PM12:00

骨転移のあるCRPC患者の全生存期間延長

バイエル薬品株式会社は6月1日、骨転移のある去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)の治療薬「(R)静注」(一般名:)を発売した。


画像はリリースより

同剤は、日本で初めてのアルファ線を放出する放射性医薬品で、骨転移巣に対して抗腫瘍効果を発揮する。有効成分であるラジウム-223 は、主にアルファ線を放出する放射性同位元素で、これはカルシウムと同様に、骨塩(ヒドロキシアパタイト)複合体を形成することにより、、特に骨転移巣を選択的に標的とする。

国際共同第3相試験においては、骨転移のある去勢抵抗性前立腺がん患者の全生存期間を有意に延長することが確認されており、2013年にEUおよび米国で発売以来、世界40か国以上で使用されている。

CRPC患者の9割に骨転移、身体障害や死亡リスク増加

前立腺がんは日本でも増加しており、2015年の国立がん研究センターの発表によると、2011年に新たに前立腺がんと診断された男性の患者数は、肺がんを抜いて胃がんに続き第2位となり、約7万8,700例と推計されている。

前立腺がんの治療の手術または放射線治療に続く薬物療法では、内分泌療法が第一選択となるが、数年後には抵抗性が生じ、この状態をCRPCという。転移性のCRPC患者のおよそ9割が骨転移を有し、このことはCRPC患者における身体障害や死亡のリスクを増加させるため、早期に骨関連の症状を診断し治療することは、患者にとって非常に重要な意味を持つとされている。

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医薬品・医療機器

  • 2025年1月より社長交代で新たな体制へ‐アレクシオンファーマ
  • ミリキズマブの炎症性腸疾患に対する長期持続的有効・安全性データを公開-リリー
  • 転移性尿路上皮がん、一次治療における新たな選択肢への期待
  • 心臓ロボット手術用の部位を見やすく展開するプレートを開発-大阪公立大
  • 新たにオンコロジー領域に注力し「2031年までに年平均成長率8%を目指す」‐GSK