進行乳がんの1次治療で
英国のアストラゼネカは5月27日、ホルモン療法による治療歴のないホルモン受容体(HR)陽性局所進行または転移性閉経後乳がん患者を対象としたフェソロデックス500mg(一般名:フルベストラント)とアリミデックス1mgを比較した第3相試験(FALCON試験)の良好な結果を発表した。
進行乳がん(ABC)は、最も進行した病期(ステージ4)の乳がんであり、がん細胞が原発腫瘍部位を超えて乳房以外の部位に進展している状態。ABCの根治治療はないため、現在の治療の目的は病勢の進行を遅らせることである。
フェソロデックス500mgは、海外で、ホルモン療法後病勢が進行したエストロゲン受容体(ER)陽性局所進行または転移性閉経後乳がん患者の治療薬として承認されている。直近では、2016年3月2日に米国食品医薬品局から、ホルモン療法後病勢が進行したHR陽性、2型ヒト上皮成長因子受容体陰性(HER2-)の進行または転移性乳がん(MBC)患者の治療薬として、palbociclibとの併用でフェソロデックス500mgが承認された。
抗エストロゲン術後補助療法中・後の再発、または抗エストロゲン剤による治療中の病勢進行に対するER陽性局所進行あるいは転移性閉経後乳がんの治療が適応。なお、国内での適応症は閉経後乳がんとなっている。
アリミデックスと比べ、優越性示す
今回結果が発表されたFALCON試験は、多施設共同無作為化二重盲検第3相試験。同試験では、ホルモン療法による治療歴のないHR陽性局所進行または転移性閉経後乳がん患者に対して、フェソロデックス500mgとプラセボ(アリミデックス)の併用による抗腫瘍効果および忍容性プロファイルを、アリミデックス1mgとプラセボ(フェソロデックス)の併用と比較した。
その結果、フェソロデックス500mgはアリミデックス1mgとの比較で優越性を示し、主要評価項目である無増悪生存期間延長を達成。同試験における有害事象プロファイルは、これまでに報告されている両剤の安全性プロファイルと概ね一致することが示されたとしている。
同社は現在、この試験データの詳細な解析を実施中で、結果は2016年の医学学会で発表する予定。
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・アストラゼネカ株式会社 プレスリリース