睡眠と食事が関係あることは、世界中で経験的に認められていることです。
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過去の睡眠に関する調査を分析すると、睡眠時間が少ない人は、高カロリーの食事を摂っており、野菜の量が少なく、食事時間が不規則であるひとが多く見られたようです。
そこで、食べ物の消化が睡眠に影響すると仮定して、調査で、寝る前にどんな食べ物を摂ることが望ましいのか、過去の調査を分析したものがあります。
その結果、セロトニンとメラトニンの合成に関わるトリプトファンという物質を含む食べ物が、睡眠に影響することが分かりました。メラトニンという物質のレベルが高まると眠気を感じるのです。
寝る前にホットミルクを飲むと、寝付きが良くなると言う説は世界各地で信じられていますが、これは牛乳にトリプトファンが含まれることから言われるようになったようです。
トリプトファンを含む食品では、寝る前におすすめと言われてきたミルクの他、バナナ、ナッツ類などが挙げられます。
とはいえ、1杯のミルクに含まれるトリプトファンは、眠りを誘うには不十分という報告もあります。また、トリプトファンはサプリによる健康被害が報告されたこともあり、やみくもに摂取すれば良いという物質ではないそうです。
あたたかいミルクは、睡眠の決め手にはなりませんが、ミルクを飲むことでトリプトファンのとり過ぎにはつながらないので、リラックスできる入眠儀式と考えれば良いようです。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
Diet promotes sleep duration and quality
http://www.sciencedirect.com/science/article/
Sleep Physiology, Abnormal States, and Therapeutic Interventions
http://www.ochsnerjournal.org/doi/pdf/