グラクソ・スミスクライン社の協力により、ファイザー社が16か国で実施
米ファイザー社は4月22日、販売承認取得済みの禁煙補助薬に関する大規模臨床試験「EAGLES試験」(Evaluating Adverse Events in a Global Smoking Cessation Study)の結果を発表した。この試験は、精神疾患の既往歴のある、および同既往歴のない成人喫煙者8,144人が参加したもの。試験結果は「The Lancet」誌に掲載された。
同試験は、多施設共同、並行群間比較、市販後安全性試験/市販後義務調査(PASS/PMR)であり、グラクソ・スミスクライン社の協力により、ファイザー社が16か国で実施した。禁煙補助として「チャンピックス(R)」(バレニクリン酒石酸塩)、ブプロピオン(日本では未発売)、ニコチン置換療法、またはプラセボを12週間投与する被験者を対象に、臨床的に重要な精神神経系イベント(自殺傾向など)のリスクを比較するとともに、禁煙補助としてチャンピックスまたはブプロピオンを使用している間、精神疾患の既往歴のある被験者が臨床的に重要な精神神経系イベントを発現するリスクが既往歴のない被験者よりも高いか否かを評価。さらに、すべての治療に関して、12週間の非投与追跡調査期間(9~24週目)を通じた長期的な禁煙を評価した。
重篤な精神神経系有害事象の有意な増加はないと結論
調査の結果、神疾患の既往歴の有無を問わず、チャンピックスを投与した被験者では、ブプロピオンまたはニコチンパッチを投与した被験者よりも継続的な禁煙率が有意に高いことが示されたという。その他、各治療薬を投与した被験者では、プラセボよりも高い禁煙率が認められた。また、主要安全性合成評価項目である重篤な精神神経系有害事象の発現率に関してプラセボおよびニコチンパッチと比較した場合、チャンピックスまたはブプロピオンによる有意な上昇はみられなかったという。
診療ガイドラインの推奨においては、最も効果的な禁煙の方法は、禁煙補助薬とカウンセリングとの併用とされる。しかし、禁煙補助薬の有効性と安全性に関する誤解があり、禁煙サポートは十分に活用されないことが多いのが実情。同試験は、処方医や喫煙者にとって重要な最新情報を提供するものであり、禁煙治療を選択する一助になるとしている。
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・ファイザー株式会社 プレスリリース