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腫瘍性骨軟化症を対象とした「KRN23」の第2相臨床試験中間解析結果を発表-協和発酵キリン

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2016年04月27日 AM06:00

成人TIO・ENS患者に対する用量設定、安全性・有効性の確認が目的

協和発酵キリン株式会社は4月21日、現在開発中の抗線維芽細胞増殖因子23(FGF23)完全ヒト抗体「」の腫瘍性骨軟化症(TIO)を対象とした第2相臨床試験の中間解析結果を発表した。当初組み入れられた8症例(表皮母斑症候群(ENS)1例を含む)について、同剤が血清リン濃度と他の骨代謝関連の臨床試験値を改善することが確認されたという。なお、同試験は約15例まで症例数を拡大する予定。

同試験は、米国で実施中の第2相オープンラベル用量設定試験。成人TIOおよびENSの患者15例に対するKRN23(4週に1回皮下投与)の用量設定および安全性・有効性の確認を主な目的に実施されている。用量は、空腹時の血清リン濃度が目標値である2.5~4.0mg/dLとなるまで増量。試験期間は、治療期間として当初48週が設定されており、その後さらに96週の延長期間が設定されているという。

主要評価項目は、試験開始時から24週時点までの血清リン濃度ピーク値の平均が正常下限である2.5mg/dLを超えた患者の割合、および試験開始時から投与48週後における類骨量の減少。また、予備的にX線診断や、筋力、歩行機能、被験者による痛みや障害、QOLの度合い計測について、同剤投与の影響を検討。骨代謝マーカー、血清リン濃度や他の生化学検査についても評価するという。

8例中6例において、血清リン濃度が正常域に到達

発表された中間解析結果によると、経口リン製剤の休薬期間終了後、試験開始時の平均血清リン濃度は1.7mg/dL。正常下限値である2.5 mg/dLを下回っていたが、KRN23の投与開始後8例中6例において、血清リン濃度が正常域に到達。他の2例中1例では、正常下限値以上に上昇がみられないため、投与量の増量が行われているという。

また、腎近位尿細管リン再吸収閾値(TmP/GFR)および1.25ジヒドロキシビタミンD濃度の上昇が8例中7例に観察されたが、1例ではこれらの値に変化が見られなかった。同試験全体として、血清リン濃度と他の骨代謝関連の数値の改善が観察されたことは、同剤の小児および成人X染色体遺伝性低リン血症(XLH)の試験において観察された現象と同様だったという。

さらに、試験に参加した8例のうち、24週の治療期間を終えた2例では、骨スキャンの結果から、骨密度の改善、そのうち1例では早期に偽骨折の治癒兆候が見られた。さらなる骨に関する詳細データについては、2016年後半に得られる予定だという。

なお、協和発酵キリンは、KRN23の開発・販売に関して、ウルトラジェニクス・ファーマスーティカルと協業およびライセンス契約を締結。この契約に基づき、同試験は海外においてウルトラジェニクスが主導して実施している。

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