ヒト型抗ヒトIL-12/23p40モノクローナル抗体製剤「ステラーラ」
ヤンセンファーマ株式会社は3月30日、ヒト型抗ヒトIL-12/23p40モノクローナル抗体製剤である「ステラーラ(R)」(一般名:ウステキヌマブ(遺伝子組み換え))について、中等症から重症の活動期にあるクローン病治療薬として、承認申請を行ったことを発表した。
同剤は、ヒト型抗ヒトIL-12/23p40モノクローナル抗体製剤であり、炎症性腸疾患に深くかかわるIL(インターロイキン)-12/23を阻害することにより消化管の炎症を抑制する。2011年に「ステラーラ皮下注45mgシリンジ」として尋常性乾癬および関節症性乾癬の治療薬として販売されており、海外では現在、尋常性乾癬の治療薬として87か国、関節症性乾癬の治療薬として71か国で承認されている。
同剤によるクローン病の治療は、寛解導入療法と維持療法に分かれているが、寛解導入療法の治療薬として、点滴静注製剤を開発し、製造販売承認を申請。また維持療法の治療薬については、既に国内で尋常性乾癬および関節症性乾癬の治療薬として承認されている「ステラーラ皮下注45mgシリンジ」についてクローン病の維持療法の適応追加を目的とした承認申請を行った。
日本では4万人以上の患者がいるとされるクローン病
クローン病は、大腸や小腸の粘膜に慢性の炎症または潰瘍を引き起こす原因不明の炎症性腸疾患。全世界に500万人以上、日本では4万人以上の患者がいるとされ、10~30代の若年者に発症することが多い。腹痛や下痢、血便、発熱、体重減少などが生じ、寛解・再燃を呈しながら慢性に持続すると言われている。既存の治療薬では充分に効果が得られない場合や効果が減弱する場合があり、作用機序の異なる新たな治療選択肢の導入が望まれていた。
クローン病に対する同剤の有効性と安全性は、日本も参加した国際共同第3相試験に基づいており、米国および欧州では2015年11月に「中等症から重症の活動期にあるクローン病」の効能・効果の取得を目的とした承認申請を行っている。
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・ヤンセンファーマ株式会社 プレスリリース