非小細胞肺がん患者を対象としたKEYNOTE-010試験に基づき申請
米国のMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.(MSD)は3月7日、抗PD-1抗体「KEYTRUDA(R)」(一般名:ペムブロリズマブ)について、生物製剤追加承認申請(sBLA)が米国食品医薬品局(FDA)に受理されたと発表した。
同剤は、免疫系ががん細胞を見つけて攻撃するのを助けるヒト化モノクローナル抗体。PD-1とそのリガンドであるPD-L1およびPD-L2との相互作用を阻害してTリンパ球を活性化し、がん細胞を攻撃する。
今回の承認は、プロスペクティブにPD-L1陽性が確認された前治療歴のある進行性非小細胞肺がん患者を対象に、同剤を化学療法と比較した「KEYNOTE-010」試験のデータに基づくもの。この試験については、2015年12月に「Lancet」に掲載されている。
30種類を超えるがん種に対する開発、200以上の臨床試験が進行中
KEYTRUDAは、すでにFDAによって進行性悪性黒色腫、および非小細胞肺がんに対する「画期的治療薬」指定を受けて承認されており、さらに、マイクロサテライト不安定性を高頻度に認める(MSI-H)転移性大腸がんに対する「画期的治療薬」にも指定。欧州でも、進行性悪性黒色腫に対して承認を取得している。現在、30種類を超えるがん種に対する開発と200以上の臨床試験が世界各国で進行中だという。
日本国内では2015年12月22日に、切除不能または転移性の悪性黒色腫に対する効能・効果について、さらに今年の2月29日には、切除不能な進行または再発の非小細胞肺がんに対する効能・効果について抗PD-1抗体「ペムブロリズマブ」(遺伝子組換え)として承認申請を行っている。
現在は、膀胱がん、肺がん、乳がん、胃がん、頭頸部がん、大腸がん、ホジキンリンパ腫の適応症に対して臨床試験が進行中だ。2015年10月27日には、治癒切除不能な進行・再発の胃がんに対する効能・効果について、厚生労働省から「先駆け審査指定制度」施行後初めての対象品目の1つに指定された。
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