医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医薬品・医療機器 > 新規ADHD治療薬「S-877503」の製造販売承認申請-シオノギ

新規ADHD治療薬「S-877503」の製造販売承認申請-シオノギ

読了時間:約 1分9秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2016年01月29日 PM01:30

小児期の適応で、シャイア―社と共同開発

塩野義製薬株式会社は1月27日、アイルランドのShire plc(シャイアー社)と共同で、小児期における注意欠如・多動症()治療薬「」(、米国における製品名:(R))について、国内での製造販売承認申請を行ったと発表した。

S-877503については、2011年11月に塩野義製薬とシャイアー社との間で締結した、国内における共同開発・商業化に関するライセンス契約に基づき、小児期のADHD治療薬として共同開発が進められている。

欧米ではADHD治療薬として種々の薬剤や剤型が承認、販売されているが、国内においてADHDに対する適応が承認されている薬剤は2剤にとどまり、海外と比較して使用できる治療薬が少ないため、新たな治療薬が望まれていた。

ADHD患者の新たな治療選択肢に期待

同剤は、シナプスに存在する受容体を介してノルアドレナリン作動性神経を活性化する薬剤であり、前頭前皮質における後シナプス性α2A受容体の活性化作用により、ADHD症状を改善すると考えられている。作用機序はこれまで国内でADHD治療薬として販売されている薬剤と異なることから、ADHD患者への新たな治療選択肢となることが期待されている。

ADHDは、頻繁で激しい不注意、多動性および衝動性の3つの主症状によって定義される精神疾患。これまでは小児期の疾患とされてきたが、近年では症状が成人期になっても持続する場合があることが認められるようになった。ADHDはWHOにおいても疾患分類がなされており、世界での罹患率は5.29~7.1%、小児および18歳未満の青年では5%未満と推定されている。発症要因は解明されていないが、遺伝的要因と環境要因の両方が重なり発症すると考えられている。

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医薬品・医療機器

  • 2025年1月より社長交代で新たな体制へ‐アレクシオンファーマ
  • ミリキズマブの炎症性腸疾患に対する長期持続的有効・安全性データを公開-リリー
  • 転移性尿路上皮がん、一次治療における新たな選択肢への期待
  • 心臓ロボット手術用の部位を見やすく展開するプレートを開発-大阪公立大
  • 新たにオンコロジー領域に注力し「2031年までに年平均成長率8%を目指す」‐GSK