ヒブによる重篤な感染症予防を目的に
武田薬品工業株式会社は1月22日、沈降ヘモフィルスb型ワクチン「ヴァクセムヒブ(R)水性懸濁注」について、2か月齢以上5歳未満の小児におけるインフルエンザ菌b型(ヒブ)による感染症の予防を適応症とした製造販売承認を厚生労働省より取得したと発表した。
ヒブは、鼻咽頭(鼻および喉)などにしばしば存在する細菌だが、特に小児では髄膜炎、肺炎、敗血症などの重篤な感染症を引き起こすことがある。ヒブによる髄膜炎は、死に至る場合や、長期にわたる後遺症が残ることも知られており、予防接種によって防ぐことができるといわれている。
ヒブ感染予防の重要な選択肢に
今回承認を取得したワクチンは、2009年5月に同社がスイスのノバルティス社から導入したヒブワクチン(ノバルティス社製品名:VAXEM Hib)で、使用に際して溶解操作を必要としない、懸濁液のワクチンである。
承認取得は、日本で実施した、国内で使用されている他のヒブワクチンを対照として、同ワクチンの免疫原性および安全性を評価する臨床第3相試験での良好な結果に基づくもの。同試験は、多施設共同、無作為化、二重盲検、並行群間比較試験で、症例数は416人。
武田薬品は、今回の製造販売承認により、国内の子どもたちのヒブ感染予防に向けた重要な選択肢を提供することが可能になるとし、今後も予防を目的とした質の高いワクチン開発と提供を通じ、日本や世界における公衆衛生の向上及び予防医療環境の充実に尽力していきたいと述べている。
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・武田薬品工業株式会社 ニュースリリース