疑わしい症例を現在調査中
平成25年2月19日、厚生労働省は、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について、新たに1名の死亡者が判明したことを発表した。これで国内感染者は4名となる。
平成25年2月18日までに判明している感染者は
愛媛県:成人男性1名 昨秋に死亡。最近の海外渡航歴なし
宮崎県:成人男性1名 昨秋に死亡。最近の海外渡航歴なし
となっていた。今回新たに判明したのは、広島県の成人男性。この男性は、昨年夏に死亡している。
厚生省では、山口県で初めてSFTSの死亡例が確認されてから、医療機関に対し情報提供を求めており、現在、疑いのある症例が数件寄せられていることから、今後も感染数が増える可能性がある。
(血を吸った雌のフタトゲチマダニ Wikiメディアより引用)
野外調査を今後実施する予定
広島県の男性は、
の症状を発症し死亡した。主治医は、平成25年1月30日付けの厚生労働省の通知を確認後、2月1日に情報提供を行った。
そして、2月8日に冷凍保をしていた検体を国立感染症研究所に送付し、2月18日にSFTSウイルスであることが確定され、このSFTSウイルスは、国内で発見されているウイルス株に非常に似ていることも確認されている。
広島県では、2010年から11年にかけて広島市佐伯区五日市町と広島市安芸区矢野でマダニの定点調査を実施しているが、その際、フタトゲチマダニなど3属11種のマダニ類を確認している。
田村憲久厚生労働相は、今はマダニが活動するシーズンではないため、マダニが野山に増えてくるシーズンになれば早急に調査を行いたいとしている。
なお、厚生省では、引き続き情報提供を求めている。
【情報提供を求める患者の要件】
38 度以上の発熱と消化器症状(嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、下血のいずれか)を呈し、血液検査所見で血小板減少(10 万/mm
3未満)、白血球減少(4000/mm3未満)及び血清酵素(AST、ALT、LDH のいずれも)の上昇が見られ、集中治療を要する、若
しくは要した、又は死亡した者。
ただし、他の感染症によること又は他の病因が明らかな場合は除く。
(吉沢実香)
▼外部リンク
厚生労働省 平成25年2月19日
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002vich.html
厚生労働省 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/
広島県:県内における重症熱性血小板減少症候群患者の発生について
http://www.pref.hiroshima.lg.jp/soshiki/57/sfts.html