乳児の成長に関わる大きな要因
分娩と授乳の方法は、乳児の一生の健康に何らかの影響を与えると言われてきたが、アニタ・コジルスキジ氏率いるカナダの研究者たちがその根拠を突き止め、Canadian Medical Association Journalに、11日、論文を掲載した。
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自然分娩と帝王切開の比較
自然分娩の場合、乳児は産道を通るときにバクテリア、ウイルスやその他の病原菌が存在する環境に迎え入れられる。これが最初の免疫付与となり、乳児の体内では、徐々に微生物の中から有害のものと無害のものを区別して攻撃するようになる。
一方、帝王切開の場合には、乳児はこの免疫付与の機会を逃してしまい、免疫システムがまだ準備できていないために、一定の感染症に対して弱くなりやすい。生後4ヶ月の24人の乳児を対象にしたこの研究では、帝王切開で生まれた乳児は、腸内にあるエシェリキア属の細菌と赤痢菌の量が、普通分娩で生まれた乳児より少ないことがわかった。
母乳と粉ミルクの比較
粉ミルクを飲む乳児の腸内からは、母乳を飲む乳児に比べて、クロストリジウム・ディフィシレやペプトストレプトコッカス属の細菌が多く検出された。
成人にとってクロストリジウム・ディフィシレは、下痢などの原因とされている。乳児はこれによって下痢にはなりにくいが、丈夫で健全な免疫システムを発達させるのに必要なエシェリキア属の細菌と赤痢菌を腸内から追い出す可能性がある。(長谷川優喜)
▼外部リンク
Canadian Medical Association Journal:Gut microbiota of healthy Canadian infants: profiles by mode of delivery and infant diet at 4 months
http://www.cmaj.ca/
Web MD:C-Section, Formula May Disrupt ‘Good’ Gut Bacteria in Babies
http://www.webmd.com/baby/news/
TIME:The Connection Between Dirty Diapers and Childhood Health
http://healthland.time.com/2013/02/12/