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メキシコで世界初のデングワクチン「Dengvaxia」承認、流行国の疾病負担軽減へ-サノフィ

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2015年12月18日 PM04:15

流行地域に居住する9~45歳への接種承認

仏国のサノフィ社は12月9日、同社のワクチン事業部門であるサノフィパスツールが開発した「Dengvaxia(R)」がメキシコの保健当局により承認されたと発表した。これによりデング熱の予防を目的とした世界初のワクチンが認可されたこととなる。

同社によると、メキシコの医薬品規制当局である連邦衛生リスク対策委員会(COFEPRIS)は、4価デングワクチンである同ワクチンを、4種類のデングウイルスに起因するデング熱発症予防ワクチンとして、流行地域に居住する思春期前の小児、青年と成人(年齢9~45歳)に接種することを承認したとしている。

今回のCOFEPRISによる同剤の承認は、15カ国において年齢、居住地域、疫学的・民族的・社会経済的背景の異なる4万人を超える被験者を対象とした大規模な臨床開発プログラムの結果に基づいている。メキシコのデング熱流行地域も、臨床開発プログラムの第1~3相に参加した。

デング熱流行の他の国々でもDengvaxia審査中

メキシコをはじめ、ラテンアメリカやアジア諸国の熱帯・亜熱帯地域ではデング熱の脅威が拡大しつつあり、大きな問題となっている。デング熱の流行の見られるその他の国々でも現在、同剤の審査が進行中だ。

仏国にあるワクチン製造施設では、同剤の製造が既に開始され、初回出荷分は既に生産が完了しているという。同社は、デング熱が公衆衛生上の課題となっている諸国で同剤を上市できるように努力を続けていきたいとしている。

世界保健機関(WHO)は、世界のデング熱による疾病負担を大きく軽減するには包括的なデング熱予防対策が必要であり、この対策の要はデングワクチンにあるとして、ワクチンの開発を呼びかけてきた。WHOは、流行国に対して、2020年までにデング熱による死亡率の50%低下と発症率の25%低下を達成するという目標を打ち出した。

疾病の影響に関するモデル研究によると、同剤の第3相臨床試験に参加した10カ国でワクチンの適応となる9歳以上の全人口の20%にワクチンを接種すれば、デング熱による疾病負担は5年以内に50%低減するとされている。このように大規模なリスク集団で疾病負担が大きく低減すると、国内の感染者数が減少し、デングウイルスを伝播する蚊の数が減るため、国全体での伝播のリスクが低減すると考えられる。

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