病院で調製後に廃棄している抗癌剤の金額は1年間で約94億円分に達することが、全国187施設から回答を得た日本病院薬剤師会学術小委員会の調査で明らかになった。現制度下では基本的に抗癌剤を調製後、バイアルなどに残存した薬剤は廃棄せざるを得ないため、廃棄分にも医療費が発生している。同委員会は、複数の患者に分割して使用するマルチドーズバイアルの導入や、小規格製剤の追加などの対策を実施して廃棄量を減らせば、医療費を削減できる可能性があるとしている。
現制度下では基本的に、バイアルなどから必要な用量を抜き取った後、残存した抗癌剤は廃棄せざるを得ない。医療費の支払いはバイアルなどの単位になるため、使われずに廃棄している抗癌剤に対しても医療費が発生している。これを効率化できる余地が残されている。