CAB LAとRPV LAの注射剤投与、3種類の経口薬と同程度のウイルス抑制率
ヴィーブヘルスケア株式会社は11月17日、長期作用型cabotegravir(CAB LA)とrilpivirine(RPV LA)の注射剤について検討した第2b相試験である「LATTE2」試験が、32週目に主要評価項目を達成したことを発表した。長期作用型の治験薬である同社のCAB LA注射剤および、Janssen Sciences Ireland UC(以下、ヤンセン社)のRPV LAの注射剤が、ウイルス抑制率の維持において、cabotegravirと2種類のヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬(NRTI)を含む3種類の経口剤投与と同程度であることが示されたとしている。
同試験は、同社とヤンセン社が共同で行ったもので、結果は近く開催される学会で発表される予定。
ウイルス抑制率を3つの投与群で検証
同社は、概念実証試験である2種類の経口剤による用量調整試験LATTE1の結果に従って、LATTE2試験を実施した。LATTE2試験は、抗レトロウイルス薬(ART)による治療を受けたことがないHIVに感染した成人患者が対象。ウイルス抑制維持療法を目的に、2剤レジメンARTとして、CAB LAとRPV LAを検証した。同試験では96週間、309名の成人患者を、cabotegravir 30mgと2種類のNRTIを1日1回併用投与してウイルス抑制を達成した後、CAB LA注射剤とRPV LA注射剤を4週間毎に投与、8週間毎に投与またはCAB経口剤とNRTIを投与継続する各投与群に無作為に割付けた。
その結果、CAB LA注射剤およびRPV LA注射剤を維持療法として8週間毎または4週間毎に投与した場合、32週目の患者のウイルス抑制率が、cabotegravirおよびNRTIを含む3種類の経口薬を継続的に服用した患者のウイルス抑制率と同程度だったことがわかったという(ウイルス抑制率はそれぞれ95%、94%、91%)。
CAB LA注射剤およびRPV LA注射剤の4週毎の投与に切り替えた患者は、8週毎の注射剤投与またはcabotegravirおよびNRTI経口薬を継続投与した患者と比較して、治験の中止に至る有害事象が多く認められたという。最も多く認められた有害事象は、注射部位疼痛(注射を受けた患者のうち93%)だった。また、8週間毎投与の群の患者2名が注射不耐性により治験を中止したという(4週毎投与の群はなし)。8週間毎投与の群(1名)および経口剤群(1名)の患者2名がウイルス学的失敗の基準を満たしていた。いずれの患者も失敗時に耐性を示すエビデンスは認められなかったとしている。
同社は今回得た知見から、第3相試験に進む予定。HIVの新たな治療法追求のため、更なる結果を期待しているという。
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・ヴィーブヘルスケア株式会社 プレスリリース