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「低侵襲」から「非侵襲」へ エドワーズライフサイエンスが循環管理システムの新製品を発売

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2015年11月10日 PM01:30

手術の低侵襲化が進むなか、さらに高まる麻酔管理の重要性

エドワーズライフサイエンス株式会社は11月9日、非侵襲的心拍出量測定装置「」を発売した。それに伴い、都内でメディアセミナーを開催。岡山大学の森田潔学長らが講演を行った。


指先から連続血圧、心拍出量など、
最大7つのデータを計測できる

技術の進歩に伴い、内視鏡手術やロボット手術といった、低侵襲手術が浸透してきているが、森田学長は麻酔科医の視点から「低侵襲になればなるほど、体位や出血、低体温、気腹の影響など、一見しただけでは分からないリスクを見つけにくくなっている」と警鐘を鳴らす。

日本麻酔科学会安全委員会が行った、手術後7日以内の死亡率の年次推移でも、2011年時点の1万症例あたりの死亡率は3.14と、1990年代からは半分以下に減ったが、ここ数年は横ばい傾向にある。森田学長は「手術の低侵襲化が進むなか、麻酔管理の重要性が高まってきています。それはすなわち、モニタリングの重要性が高まるということ。手術とともにモニタリングもより低侵襲やものや非侵襲的なものに進化すべき」と語り、非侵襲で体内の循環血液量を測定できる「クリアサイトシステム」に期待を寄せた。さらに森田学長はこの「クリアサイト」の活用が期待される分野として、高齢者の手術のほかに、妊娠中患者の外科手術や帝王切開手術、無痛分娩などの産科麻酔を挙げた。「貧血や中毒症による高血圧、仰臥位低血圧症候群などの危険性がある産科では、非侵襲で循環管理ができることは非常に重要です」(森田学長)

麻酔時の循環管理の質の向上が手術の安全性の向上に

クリアサイトシステムは、指に専用カフを装着するだけで、連続血圧(BP)、心拍出量(CO)、心係数(CI)、1回拍出量(SV)、1回拍出量係数(SVI)、1回拍出量変化(SVV)、体血管抵抗(SVR)が測定可能。連続して心拍出量が測定できることで、患者の循環状態を即座に把握できる。

循環管理は、麻酔科医個人の経験や知識に基づいて行われることが多く、同じ手術でも医師や管理方法によって質が異なる場合がある。同システムを導入し、循環管理をより適切に行うことで、合併症発生率の低減などが期待できるとのこと。同社の米国本社コーポレートヴァイスプレジデントのケイミン・ワング氏は「より高齢、より複雑な手術が増加しているにも関わらず、モニタリングに関するアジアの市場はまだまだ小さい」と語る。欧米では循環管理の指標化が進んでおり、例えばイギリスでは、手術中の心拍出量管理と輸液管理が、同国の国立医療技術評価機構(NICE)のガイダンスで推奨されている。「手術の低侵襲化・複雑化は今後も進むことは明白で、それとともに麻酔時の循環管理指標は標準化されていく傾向にある。麻酔時の循環管理の質の向上がすすむことは、手術の安全性の向上につながると考えている」(ワング氏) 

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