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厚生労働省、「薬局ビジョン」まとまる-門前薬局、建替え契機に地域へ

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2015年10月26日 AM10:30

厚生労働省は23日、「患者のための薬局ビジョン」をまとめた。「門前」から「かかりつけ」、そして「地域」へ、を副題とし、かかりつけ薬剤師・薬局が持つべき機能として、▽服薬情報の一元的・継続的把握▽24時間対応・在宅対応▽医療機関との連携――を挙げ、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる2025年までに全ての薬局が「かかりつけ機能」を持つことを目指すとした。チェーンの門前薬局を念頭に、「建て替え時期等を契機に立地を地域へ移行」などと明記し、薬局再編の全体像も示した。また、医薬分業の政策効果を評価するための仕組みも導入し、具体的な評価指標は今後、検討するとした。

■かかりつけ再編への道筋示す

ビジョンは、患者本位の医薬分業の実現に向けて、かかりつけ薬剤師・薬局の今後の姿を明らかにすると共に25年、さらに10年後の35年に向けた中長期的視点に立って、現在の薬局をかかりつけ薬局に再編する道筋を示したもの。

かかりつけ薬剤師・薬局が持つべき機能を示した上で、患者のニーズに応じて充実・強化すべき機能として、地域住民の健康相談などに気軽に応じられる「健康サポート機能」、癌やHIV、難病などの治療薬を服用する患者に対してきめ細やかな対応がきるような「高度薬学管理機能」を挙げた。

これまで以上に、かかりつけ薬剤師としての役割を発揮するため、25年までのなるべく早い時期に、従来の薬剤の調整などの対物業務から、多剤・重複投薬や飲み合わせの確認、医師への疑義照会といった対人業務にシフトすることも求めた。また、薬局の薬剤師は、医薬品に関する安全性情報等を含め医薬品の最新情報の収集に努めることも必要とした。

薬局再編の全体像も示した。団塊の世代が要介護状態になるケースが多くなる85歳以上に到達し、一般的な外来受診はかかりつけ医が基本となる35年を見据え、「大病院に隣接した薬局を中心に、建て替え時期などを契機に立地も地域へ移行し、少なくとも患者に身近な日常生活圏域単位で地域包括ケアの一翼を担える体制が構築されることが期待される」と再編を促した。

再編の過程においては、各薬局は自局でかかりつけ機能を充実させることとし、自局のみで機能を果たせない場合には地域で連携して対応することを求めた。

薬局ビジョンの実現に向けては、薬局におけるタイムスタディ調査を実施し、調剤技術の進展、機械化の状況など、最新の状況に応じた薬剤師業務の実現を把握する。また、薬局の再編の状況や薬剤師業務の対人業務へのシフトの状況を踏まえつつ、薬剤師の将来需給見通しも適宜作成するとした。

ICTを活用し、紙のお薬手帳の一冊化・集約化を進めると共に、電子版お薬手帳についても過去の服用歴を一覧できるようにするなど、服薬情報の一元的把握ができるよう機能の向上を図っていく。

患者本位の医薬分業を見据えた「かかりつけ薬剤師・薬局の運営ガイドライン(仮称)」の策定も検討する。16年度からは、薬局ビジョン実現のための新たな事業にも着手する。健康サポート薬局も含めた薬局全体のかかりつけ薬局機能の強化に向けた事業として、▽地域全体のかかりつけ薬剤師・薬局機能強化のための連携推進事業▽多職種連携による薬局の在宅医療サービスの推進事業▽電子版お薬手帳を活用した地域の先進的な健康サポート推進事業▽薬局・薬剤師によるアウトリーチ型健康サポート推進事業――を挙げた。

また、薬局の実態(立地条件、店舗面積、開局時間等)を調査し、ビジョン実現のためのロードマップや具体的施策を講じる上での留意点なども検討する。

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