鼻症状が比較的強い症例で処方されているディレグラ配合錠
サノフィ株式会社は10月15日に、アレルギー性疾患治療薬「ディレグラ(R)配合錠」の使用成績調査の結果を発表。同日行われたメディアセミナーで、調査を取りまとめた日本医科大学大学院医学研究科 頭頚部・感覚器科学分野 教授の大久保公裕先生が講演を行った。
同調査は2013年9月から2014年7月にかけて実施。アレルギー性鼻炎に対して、同剤を新規に使用する患者を対象とし、用法・用量には介入せず、使用実態下における情報を最長8週間収集した。
調査項目は患者背景、投与状況、安全性、有効性の4点で、全国から1,350例の症例が登録された。安全性解析対象症例は912例、有効性解析対象症例は877例であった。患者背景ならびに投与状況については、16歳未満の小児患者は全体の15.7%、65歳以上の高齢者が6.3%だった。鼻症状が比較的強い症例で同剤が使用されるケースが多く、鼻閉型、充全型が全体の約75%を占め、さらに約90%の患者が中等症以上だった。
安全性・有効性に新たな懸念は認められず
有効性については、70%以上の症例で有効と評価。通年性・季節性に関わらずアレルギー性鼻炎の各症状が改善した、としている。また、投与期間が長くなっても、有効率の低下は認められなかった。副作用は912例のうち、50例57件でみられ、重篤な副作用は動悸1例だった。副作用の多くは投与2週間以内に発現。特に投与6日までの発現件数が多くみられた。
「承認前の臨床試験成績と比較して、発現頻度はわずかに増加しましたが、特徴的な事象は認められませんでした。このように、同剤は適正に使用する限りにおいて、安全および有効な薬剤と考えられます」(大久保先生)
同調査結果は10月2日に開催された第54回日本鼻科学会総会・学術総会でも発表されている。