ゲノム情報に基づいた予防医療の実現を目指し
東京医科歯科大学は10月5日、P5株式会社と個人のゲノム情報に基づいた予防医療の実現を目指し共同で開発を進めている「健康管理ゲノム情報の提供事業」の運用検証を10月から開始すると発表した。同事業システム部には、同大とソニー株式会社が 2014年より共同研究開発を進めてきた「ゲノム情報解釈アルゴリズム」を採用する。
同運用検証は、同大が生活習慣や遺伝子背景を基礎にした予防医学を実践・推進する組織として今年1月に設立した「医学部附属病院 長寿・健康人生推進センター」を主体として実施する。一方、P5はこの運用検証で「ゲノム情報解釈アルゴリズム」を利用して解析結果レポートを作成するシステムの開発など、サービスプラットフォームの構築を担う。
同大は、同運用検証を通じてサービス提供のノウハウを蓄積し、2016年度に長寿・健康 人生推進センターにおいて「健康管理ゲノム情報の提供事業」の開始を予定している。
約30の疾患項目に検査値に対する50のゲノム解析結果を提供
今回の事業は、誰でも罹患する可能性のある生活習慣病やがんなどについて、個人が将来その病気に罹患するリスクを遺伝子の側面から分析して提供するというもの。がんや心疾患、糖尿病などの疾患について、上記の観点から予防、早期発見に結びつく厳選した約30の疾患項目を対象としている。
検査値に対する遺伝傾向や薬剤応答性などを加えた全部で約50項目のゲノム解析結果に、現在の健康状態(健康診断の結果)を加味し、結果レポート「あなたのゲノムプロフィール」を発行。結果レポートに基づき、医師が個別の説明を行い、対応策を受診者と対話を通じて決定、その後に対応策が実行できるよう一定期間のフォローアップも実施する予定だとしている。
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・東京医科歯科大学 プレスリリース