パリタプレビル/リトナビルとオムビタスビルの配合剤
アッヴィ合同会社は9月28日、米国本社であるアッヴィが、C型肝炎ウイルス(HCV)に感染した成人患者向けのジェノタイプ1型(GT1)治療薬「ヴィキラックス(R)」が厚労省より製造販売承認を取得したと発表した。
同剤は、インターフェロン・リバビリンを使用していない、2種の直接作用型抗ウイルス剤であるパリタプレビル/リトナビルとオムビタスビルの配合剤。12週間にわたって1日1回服用する。
日本は先進国の中でC型肝炎ウイルスの感染率が高い国の1つで、HCV患者数は約150~200万人に上る。C型肝炎ウイルスのジェノタイプのうち、GT1型は全患者の60~70%と日本で最も多く、そのうちの約99%がGT1b型サブタイプと言われている。厚労省は、日本におけるC型肝炎治療の臨床的有用性や、同疾患の深刻さなどを鑑みて、4月に同剤を優先審査の対象に指定していた。
厚労省の優先審査対象指定から約半年で承認取得
今回の承認は、国内で行われた第3相臨床試験であるGIFT-I試験を根拠としたもの。全体の95%の未治療、94%の既治療のC型慢性肝炎(代償性肝硬変を含む)成人患者が、同剤の治療効果(SVR12)を達成している。
また、未治療で肝硬変を有していないインターフェロン(IFN)治療に適格な高ウイルス量のGT1b型C型慢性肝炎成人患者におけるSVR12の割合は95%、GT1b型C型代償性肝硬変患者を対象とした副次的評価項目では、SVR12が91%だったという。
同社は、同剤に関する教育啓発を優先事項と位置付けており、今後はスクリーニングや診断に関する取組みの支援、治療選択肢に関する医療関係者への正確な情報提供などを行っていくとしている。
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・アッヴィ合同会社 プレスリリース