LAL-Dの小児および成人における「sebelipase alfa」の安全性と有効性を評価
米国のアレクシオン・ファーマシューティカルズは9月9日、ライソゾーム酸性リパーゼ欠損症(LAL-D)の小児および成人における「sebelipase alfa」の安全性と有効性を評価するためのピボタルな第3相ARISE試験で得られたデータが、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン(NEJM)9月10日号に掲載されたと発表した。
LAL-Dは深刻な病態や早期死亡に関連する、遺伝性、慢性および進行性の代謝性超希少疾患。遺伝子変異によりLAL酵素活性が低下するため、重要臓器や血管、その他の組織にコレステロールエステルやトリグリセリドが著しく蓄積する。その結果、組織の線維化、肝硬変、肝不全、急速に進行するアテローム性動脈硬化症、心疾患やその他の深刻な疾患を含む、複数の臓器への進行性の障害をもたらすという。またLAL-Dはあらゆる年齢の患者に影響を及ぼし、乳児期から成人期にわたって臨床症状が現れ、突発的かつ予想不可能な臨床的合併症が現れる可能性がある。発症年齢は 5.8 歳(中央値)であり、簡易血液検査で診断できる。
主要評価項目と6つの副次的評価項目も達成
Sebelipase alfaはLAL-Dの根本的な原因に対処すべくデザインされた、酵素補充療法。肝臓を含む体内組織のライソゾーム内における基質の蓄積の減少を図り、それにより重要臓器への障害、早期死亡を防ぐという。Sebelipase alfaは欧州連合であらゆる年齢のLAL-D患者の治療薬として承認されており、FDAは乳児のLAL-Dを適応としてブレークスルー・セラピー(画期的治療薬)に指定し、BLAの優先審査を受理。さらに日本では、厚生労働省にNDAを提出しているという。
今回NEJMに掲載されたARISE試験では、sebelipase alfaはプラセボと比較して、主要評価項目であるアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)の正常化を達成(31% vs. 7%, p=0.03)。また同時に、6つの副次的評価項目も達成した。
現在、多くのLAL-Dの患者が正確に診断されておらず、診断されている患者も深刻な結果に直面している。同社は、今回のARISE試験で得られたデータがNEJMに掲載されたことで、不足していた医療関係者によるLAL-Dの認知度が高まり、患者が正確かつ迅速に診断を受けられるようになることを期待するとしている。
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・アレクシオンファーマ合同会社 プレスリリース