ACSを最近発症した、またはPCIを受けた非弁膜症性心房細動患者が対象
米国のブリストル・マイヤーズ スクイブ社とファイザー社は9月14日、第4相AUGUSTUS臨床試験に最初の患者を登録したと発表した。
AUGUSTUS試験は、現在承認されている適応症の範囲に含まれる特定の患者について、「エリキュース(R)」(一般名:アピキサバン)の安全かつ適切な使用に関する追加情報を収集するために実施されている臨床試験の1つ。
この2×2のファクトリアルデザインによる無作為化比較試験は、急性冠症候群(ACS)を最近発症したか、または経皮的冠動脈インターベンション(PCI、ステント留置術を含む)を受けた非弁膜症性心房細動(NVAF)患者を対象に、同剤の安全性をワルファリンまたはその他のビタミンK拮抗剤(VKA)と比較して評価する。また、患者は、アスピリンまたはプラセボにも無作為に割り付けられる。すべての患者がP2Y12阻害剤(クロピドグレルなど)をエリキュースまたはVKAと併用することになるという。
30か国4,600人に対し、2つの仮説を試験予定
AUGUSTUS試験には、30か国から適格の患者4,600人が登録される見込み。2×2のファクトリアルデザインでは、被験者について2つの仮説を試験することができる。第1に、非盲検方式で、大出血と臨床的に重要な非大出血(CRNM)の複合アウトカムに関し、エリキュースがVKAに対して非劣性を示すかどうかを評価。第2に、二重盲検方式で、抗凝固薬とP2Y12阻害剤にアスピリンを追加したときに、被験者の大出血またはCRNM出血が有意に増加するかどうかを評価できるという。
エリキュースは、選択的第Xa因子阻害剤の経口薬。主要な血液凝固タンパク質である第Xa因子を阻害することにより、トロンビンの生成と血栓の形成を抑制する。同剤は、非弁膜症性心房細動(NVAF)患者における脳卒中と全身性塞栓症の発症抑制を適応として、日本を含めた地域又は国で承認。また、待機的股関節または膝関節置換術後の成人患者における静脈血栓塞栓症(VTE)の発症抑制を適応として、米国、欧州連合(EU)、およびその他数カ国で承認されている。さらに米国およびEUで、深部静脈血栓症(DVT)および肺塞栓症(PE)の治療、ならびに治療後のDVTおよびPEの再発抑制を適応としても承認されている。
NVAF患者は、冠動脈疾患を併発することが多く、ACSイベントを発症したりPCIを受けたりして、抗血小板療法が必要になる場合があるため、この試験は重要であると、同試験の運営委員会委員長を務めるジョン・H・アレクサンダー博士は述べている。
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・ファイザー株式会社 プレスリリース