線維筋痛症患者309名を対象にインターネット調査を実施
塩野義製薬株式会社と日本イーライリリー株式会社は8月27日、線維筋痛症患者309名を対象に、今年5月に実施した疼痛に対する意識・実態に関するインターネット調査の結果を発表した。
画像はリリースより
線維筋痛症は、全身の痛みを主症状としているが、その原因は未だ解明されていない。厚労省が2004年に行った全国疫学調査によると、国内の線維筋痛症有病率は人口比1.7%で、200万人の潜在患者がいると推定されている。今回の調査は、線維筋痛症の主症状である痛みが、患者の生活や対人関係に与える影響を明らかにすることを目的に実施された。
家庭や職場で痛みを理解してもらえない現状が浮き彫りに
調査の結果、痛みが原因で通勤・通学、家事ができないことがあるという患者が6割を超えることが明らかとなった。痛みで日常生活に影響が出ていることは、1位が「起床」(60.2%)、2位が「就寝」(48.2%)、その後に着替え、掃除・洗濯が続き、日常生活の基本となる部分に影響が出ており、さらに、痛みがひどい時期には週1日以上遅刻や欠席(家事ができない)をするなど、痛みが日常生活を困難にしている実態が浮かび上がった。
にもかかわらず約7割の患者は、家族や職場など周囲から怠けていると誤解を受けており、「気持ちの問題」や「大げさ」「さぼりたいだけ」など、周囲からの心ない発言に苦しむ人が多いこと、さらに8割以上の患者は、痛みを周囲から理解されず辛いと感じており、痛みにより家族や職場など周囲へ迷惑をかけているという罪悪感を持っていることも明らかとなった。
痛みが目に見えないことや疾患の認知が低いことが、こうした周囲の不理解に繋がっていると感じている患者も多い。疾患認知と痛みの辛さへの啓発は、患者のQOL向上のためにも重要だ、と両社は述べている。
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・塩野義製薬株式会社 プレスリリース