悪性腫瘍に対する新規経口プロテアソーム阻害薬
武田薬品工業株式会社は8月21日、新規経口プロテアソーム阻害薬「イキサゾミブ」(一般名、開発コード:MLN9708)について、再発・難治性の多発性骨髄腫を対象とした販売許可申請を欧州医薬品庁(EMA)に提出し、EMAが受理したことを発表した。
今回申請が受理されたイキサゾミブは、多発性骨髄腫、全身性ALアミロイドーシスなどの悪性腫瘍に対する新規経口プロテアソーム阻害薬。同剤は2011年、米国および欧州で多発性骨髄腫について、2012年にALアミロイドーシスについてオーファン指定を受けるとともに、2014年に再発・難治性のALアミロイドーシスについて米国食品医薬品局(FDA)よりBreakthrough Therapyの指定を受けている。
欧州米国以外の国においても2015年度後半以降に順次申請予定
今回の欧州での申請は、臨床第3相試験「TOURMALINE-MM1」のあらかじめ規定されていた最初の中間解析データに基づいているという。TOURMALINE-MM1は、722名の再発・難治性の多発性骨髄腫の患者を対象にイキサゾミブ群(同剤+レナリドミド+デキサメタゾン)とプラセボ群(プラセボ+レナリドミド+デキサメタゾン)とを比較した、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照の国際共同試験。患者は病気が進行するまで引き続き治療を受け、長期的な転帰についての評価が行われているという。
なお同剤は、公衆衛生に大きく貢献できると判断された医薬品、特に革新性を有すると判断された医薬品が対象となる迅速審査の指定を、2015年7月23日にEMAの欧州医薬品評価委員会(CHMP)より受けている。
武田薬品は、同剤の申請について、欧州のほか、米国でも既に実施。その他の国においては、2015年度後半以降、順次実施していく予定だとしている。
▼関連リンク
・武田薬品工業株式会社 ニュースリリース