国立精神・神経医療研究センターと共同でバイオマーカーを開発
ヤンセンファーマ株式会社は8月20日、国立精神・神経医療研究センターとともに、アルツハイマー病患者への薬物療法に対するバイオマーカーの開発を目的とした共同研究を行うと発表した。
厚生労働省は、2015年までに認知症の高齢者が約700万人に達するとの推計している。この数は65歳以上の5人に1人という計算になる。2014年1月には国家戦略として「認知症施策推進総合戦略」(新オレンジプラン)が策定されている。なかでもアルツハイマー型認知症は、脳の神経細胞の異常が原因で起こる変性性認知症の中で最も患者数が多く、その早急な環境整備が求められている。
他の精神・神経疾患の薬効評価への応用にも期待
今回の研究は、機能的MRIを用いた薬物負荷時の脳内ネットワークの評価を通じて、アルツハイマー病患者を対象としたアセチルコリンエステラーゼ阻害剤の薬効評価として利用可能なバイオマーカーの開発を目的にしたもの。研究期間は2018年12月31日までを予定している。
アルツハイマー病の治療に用いられるアセチルコリンエステラーゼ阻害剤投与による安静時機能的MRI測定を用いた脳複雑ネットワーク性の変化を測定する事により、その後の治療に対する反応性を予測する事、治療による脳複雑ネットワークの変化と臨床症状の変化との関連性を明らかにする事を目標としている。
この研究により確立される方法論は、他の精神・神経疾患の薬効評価のバイオマーカーへの応用も期待されるとしている。
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・ヤンセンファーマ株式会社 プレスリリース