進行期固形がんを対象に、がん免疫療法に関する開発提携
協和発酵キリン株式会社は7月30日、抗CCR4抗体「モガムリズマブ」(製品名:ポテリジオ(R)点滴静注20mg)とPD-1免疫チェックポイント阻害薬「オプジーボ」(一般名:ニボルマブ)について、米国における両剤の併用療法に関する第1/2相臨床試験の開発提携契約を、米国のブリストル・マイヤーズ スクイブ社と締結したことを発表した。
モガムリズマブは、CCR4を標的としたヒト化モノクローナル抗体で、協和発酵キリン独自の強活性抗体作製技術「POTELLIGENT(R)」(ポテリジェント)が応用されている。同剤は、抗体依存性細胞傷害活性により標的細胞を殺傷することで効果を発揮するよう設計されており、再発又は難治性のCCR4陽性の成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)の治療薬として、2012年5月から協和発酵キリンが国内で販売。また、2014年3月に再発又は難治性のCCR4陽性の末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)および皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)、2014年12月に化学療法未治療のCCR4陽性のATLの適応追加承認を取得している。
オプジーボは、2つのがん腫で単剤療法として米国食品医薬品局(FDA)から承認を取得したPD-1免疫チェックポイント阻害剤。2015年3月に、プラチナ製剤による化学療法での治療中または治療後に進行・再発が認められた肺扁平上皮がん患者の治療を適応として、FDAから承認を取得。米国では、オプジーボはYervoy(一般名:イピリムマブ)での治療後、かつ、BRAF V600変異陽性の場合は、BRAF阻害剤での治療後に病勢進行が認められた切除不能または転移性悪性黒色腫の治療薬としての承認も迅速審査で取得している。
臨床試験は協和発酵キリンが実施
モガムリズマブとオプジーボは、がん免疫療法の治療薬として期待されている。がん免疫療法とは、生体自身の自己免疫システムを制御することにより、がん細胞の駆逐を試みる新たなクラスの治療法だ。
今回進める試験は、進行あるいは転移した固形がん患者に対する新たな治療の選択肢の可能性を探るために、両剤の併用療法の安全性、忍容性および抗腫瘍作用の検討を行うもの。開発提携契約に基づき実施される両剤の併用療法に関するこの臨床試験は、協和発酵キリンが行うという。
なお、この併用療法については、2014年に両社および小野薬品工業株式会社が、日本における両剤の併用療法に関する開発提携契約を締結している。
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・協和発酵キリン株式会社 ニュースリリース