患者氏名の確認不十分で
放射線検査で患者を取り違えた事例が2008年1月から2012年10月までに6件あったと日本医療機能評価機構が報告結果を公表した。いずれの場合も、患者氏名の確認が不十分であったために違う患者の入室に気づかず、検査を実施している。取り違えた検査の内訳は、レントゲン検査3件、PET検査(FDG投与まで)1件、内視鏡検査1件、CT検査1件。
(写真はWikiコモンズを使用)
これらの事例で患者の確認方法はどうなっていたか。「患者にフルネームを名乗ってもらう」と院内で取り決めていたが守らなかった、が5例。 「患者が持参した予約票と患者の氏名を突き合わせる」という確認方法については、院内で取り決めていなかった、あるいは取り決めを守らなかった事例が3例あった。
具体的な事例から
事例1 診療放射線技師が患者を名字だけで呼び入れて、氏名を名乗ってもらう確認を行わなかった。その結果、患者を取り違えたまま胸部レントゲンを撮影した。
事例2 PET検査のFDG(放射性医薬品基準フルデオキシグルコース注射液)を投与する注射室に、研修医が患者Aの氏名で呼び入れたところ、廊下で待機していた患者Bが入室した。手順では患者の予約票、問診票を確認してから氏名を名乗ってもらうことになっていたが、研修医は口頭で氏名を呼び、患者Bがうなずいたので準備を開始。指導医は手順で確認されたものとして患者にFDGを投与した。投与後に患者Bに問診票の提示を求めて、取り違えに気づいた。
同機構は
・必ず患者自身に氏名を名乗ってもらう。
・院内で取り決めた放射線検査時の患者の確認方法を徹底する。
・院内で取り決めた放射線検査時の患者の確認方法を徹底する。
ことを呼びかけている。また、対応策の案として、患者が持参した予約票や問診票などを確認することや検査種別ごとの色分けカードを作成して患者に渡すことを紹介している。
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