第2b相試験で得られた新たな知見を米国頭痛学会にて発表
イスラエルのテバファーマスーティカル・インダストリーズ・リミテッド(以下、テバ社)は6月18日、2用量の「TEV-48125」の片頭痛予防効果と作用発現速度に関する第2b相試験の追加の解析で得られた新たなデータを公表した。このデータは、6月18~21日にワシントンDCで開催された第57回米国頭痛学会(AHS)で発表されている。
TEV-48125は、片頭痛のよくバリデートされた標的であるカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)と結合するモノクローナル抗体。高頻度の反復性片頭痛(1か月8~14日の頭痛)および慢性片頭痛(1ヵ月15日以上の頭痛)を適応として開発が進められており、予防を目的として月1回皮下投与する製剤だ。健常志願者118例に実薬を投与した6件の第I相試験が問題なく完了している。
慢性・反復性片頭痛両方で複数用量すべての有効性評価項目を達成
今回の報告によると、反復性片頭痛試験と慢性片頭痛試験のいずれにおいても、検討したTEV-48125の全ての用量で、1回の投与によりプラセボとの統計学的有意差を確認。3か月投与後において、低用量群の53%、高用量群の59%の患者で、反復性片頭痛日数が少なくとも50%減少した。他の予防薬が投与されていないサブグループでは、それぞれ66%および67%の患者で、反復性片頭痛日数が50%減少。安全性プロファイルはプラセボと差がなく、試験治療下での抗薬物抗体(ADA)反応は認められなかったとしている。
これらの結果によりTEV-48125は、投与開始後数日以内に有意な改善を示す初めての片頭痛予防薬、また慢性片頭痛と反復性片頭痛両方の治験で、複数用量にわたり全ての有効性評価項目を達成した、初めての治験薬となった。
テバ社は、同剤の予防効果の発現は非常に速く、難治性患者でも片頭痛日数が大きく減少するため、慢性片頭痛と反復性片頭痛の患者に対する幅広い効果のある治療薬の提供に近づいたと、期待を述べている。
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・テバ製薬株式会社 ニュースリリース