■医師と診断、治療を支援
抗菌薬の適正使用を推進するため、チームを組んで介入するスチュワードシップ(AST)の活動が新たな取り組みとして注目を集める中、6日に都内で開かれた日本化学療法学会総会では、薬剤師がどう介入して役割を果たしていくべきかについて議論した。薬剤師が医師と感染症の診断、治療を支援していくASTの考え方は、まだ日本で普及していないのが現状。討論では、「抗菌薬のTDM、投与量調節で医師の信頼を得て、施設の実情に合わせてASTの活動を広げていくのが現実的ではないか」との意見で一致した。
米国感染症学会は2007年、抗菌薬適正使用を推進するための具体的な活動内容を示したプログラムを提唱。大きな戦略として、介入とフィードバック、院内採用医薬品集(フォーミュラリー)の作成と抗菌薬使用制限が打ち出されている。感染症の拡大防止を目指し、看護師を中心にコントロールする感染制御チーム(ICT)と違い、医師と薬剤師による感染症の診断、治療を目的とした活動がASTであり、既に欧米で普及が進んでいる。