医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医薬品・医療機器 > 医薬品の副作用被害救済制度、利用するも認められずが1割 理由に「薬の使用方法が不適当」も

医薬品の副作用被害救済制度、利用するも認められずが1割 理由に「薬の使用方法が不適当」も

読了時間:約 1分16秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2013年01月02日 AM10:13

救済制度で給付が認められない場合

厚生労働省は「」について利用状況などを公開した。これは医薬品の副作用で健康被害が発生した場合に救済を受けられる公的制度で、給付の請求件数、支給件数とも近年増加している。しかし、副作用と認められる事例なのに、薬の使用方法が不適当で支給が認められないケースもある。

(この写真はイメージです)

支給された事例の健康被害には「皮膚および皮下組織障害」が一番多くて全体の31%、「肝胆道系障害」13%、「神経系障害」13%となっている。平成19年度から23年度までに支給された事例が請求件数の86%(4880件)、不支給となった事例が14%(663件)。1割以上が支給の対象外だった。

その理由をみると、「医薬品により発現したとは認められない」45%はやむをえないとして、「使用目的または使用方法が適正とは認められない」23%は、給付の対象外ではないだけに服用ルールの不徹底が惜しまれる。ちなみに不支給の理由で三番目に多かったのは「入院を要する程度または障害の等級に該当しない」の19%。

適正に使用されないことが多い薬品例

不支給になった事例(平成23年4月~24年9月)のうち、不適当な使用が多くみられた医薬品は3点。ラモトリギン(ラミクタール)の15例、チアマゾール(メルカゾール)の6例、ベンズブロマロン(ユリノーム 他)の5例。

いずれも重篤な副作用の発現が知られ、PMDA(医薬品医療機器総合機構)から医療関係者に投与の用法・用量の順守や定期検査の必要性が告知されている。

厚労省は、副作用が発生したり患者から相談されたりした場合、対象事例には救済制度を紹介すること、適正な使用でなかったら救済されないと承知して、医薬品の「使用上の注意」に留意することを呼びかけている。

▼外部リンク
QLife
医薬品による副作用被害を救済する「医薬品副作用被害救済制度」とは?

厚生労働省 医薬品・医療機器等安全性情報 No.296
http://www1.mhlw.go.jp/

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医薬品・医療機器

  • 2025年1月より社長交代で新たな体制へ‐アレクシオンファーマ
  • ミリキズマブの炎症性腸疾患に対する長期持続的有効・安全性データを公開-リリー
  • 転移性尿路上皮がん、一次治療における新たな選択肢への期待
  • 心臓ロボット手術用の部位を見やすく展開するプレートを開発-大阪公立大
  • 新たにオンコロジー領域に注力し「2031年までに年平均成長率8%を目指す」‐GSK