日本医療研究開発機構(AMED)の末松誠理事長は、本紙のインタビューに応じ、非臨床や臨床研究における不成功事例をデータベース化して共有する必要性を表明した。学術研究における不成功例や製薬企業における開発中止例の情報を共有することにより、研究の成功率向上に弾みをつけるのが狙い。研究者や製薬企業から賛同を得る必要があるが、末松氏は「まだ米国でも実現できておらずインパクトは大きい。反対も多いかもしれないが、協力を働き掛け実現したい」と意欲を示した。
末松氏は、日本の創薬研究について、「研究者の密度も濃く、決して劣っていない。むしろ創薬のできる数少ない国の一つであり、新薬の生みの親になる人は多い」と高く評価しつつ、「問題は育ての親が乏しいこと」と指摘。「創薬はAMEDの非常に重要な課題」との認識を示した。