貧困地域に向け、感染症抑制を目指してワクチン開発などを促進
グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)は6月3日、同基金への新規参画団体として5機関とのパートナーシップ締結を発表した。
同基金は世界の貧困層の健康を脅かすマラリアや結核、顧みられない熱帯病等の感染症制圧に向けた医薬品開発を支援。特にマラリアに関する新薬、ワクチン開発に関しては12億円以上の資金を14の共同研究開発に投資している。
また、経済的、公衆衛生的にもマラリアに次ぐ影響を及ぼしている住血吸虫症に関して、製剤設計と新薬開発を含む、世界的に見ても類を見ない開発パイプラインを保有している。
ウェルカム・トラスト財団と、スポンサー企業4社が参画
同基金は設立以来の2年間で、39の有望な共同研究開発に対して約43億円の資金を投資。この43億円の投資には、29億円の共同出資がなされており、直近では、診断薬開発とリーシュマニア症に対する治療薬開発のプロジェクトが加わり、合計72億円の出資があった。
今回の新規企業の参画によって、同基金はこれまでの6社の製薬企業、日本政府、ビル&メリンダ・ゲイツ財団に加えて、イギリス最大の規模を誇るウェルカム・トラスト財団と、シスメックス株式会社より総額7億円の資金提供を受けることとなる。特に、ウェルカム・トラスト財団は、医学研究支援等を目的とした、イギリス最大規模の財団法人であり、同基金に対して2017年初旬までに5.5億円の資金を拠出することを決定している。
また、日本の最大手航空会社である全日本空輸株式会社(ANA)、弁護士事務所のモリソン・フォースターLLP、ヤフー株式会社(Yahoo! JAPAN)が、同基金のスポンサー企業として参画する予定。これらの企業とのスポンサーシップによって、共同研究開発案件をより効率的に運営、管理することが可能となるという。
同基金は今後も、開発途上国で蔓延する感染症の撲滅を目指し、医薬品の製品開発を促進していきたいとしている。
▼外部リンク
・グローバルヘルス技術振興基金 プレスルーム