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市場拡大が続く医療機器産業はどうなるのか、医機連が初のメディアセミナーを開催

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2015年06月01日 AM10:00

重点施策は「政策提言力強化」「産業基盤強化」「国際化推進」

(医機連)は5月26日、都内でメディアセミナー「『健康・医療戦略』の実現に向けて~医療機器産業の成長軌道を描く~」を開催。テルモ株式会社 代表取締役会長で医機連会長の中尾浩治氏らが講演した。


日本医療機器産業連合会 中尾浩治会長

まず、専務理事の菊地康昭氏が医機連の概要を説明。同会は重点施策として「政策提言力強化」「産業基盤強化」「国際化推進」を掲げている。今回のメディアセミナーは、産業基盤強化の一環として行われる広報活動に基づくもの。こうしたメディア向けのセミナーを開催するのは初の試みだという。

政策提言力強化については、2014年11月の医薬品医療機器法()の施行以前から、その具体的な制度運用の協議を行っている。さらに行政と連携して海外での薬事規制手続きの簡素化を実施。「マレーシア、台湾、ブラジル等で一定の進展があった」(菊地氏)としている。

2018年、世界市場は4536億米ドルまで拡大、国際競争力のある製品開発を

医療機器産業の国内市場規模は2013年の時点で約2.7兆円。2014年には推定2.9兆円にまで拡大している。世界市場においても2013年の3278億米ドルから2018年には4536億米ドルまで市場の拡大が予想されている。産業政策会議議長の三澤裕氏は「医療機器産業は知的集約型産業であり、日本のモノづくり力を生かせる市場として期待されている」と語る。また、超高齢化社会を迎えた日本の医療環境は、海外からも注目を集めている。「世界に向けて発信できるいい環境ができている。この環境を生かして産業を延ばして行きたい」(三澤氏)

国際競争力のある製品を開発、輸出するため、開発環境の整備と充実を目指すという。具体的には、薬機法の合理的な運用のため、一部変更申請扶養範囲の拡大、品質マネジメントシステム(QMS)調査要領、要求資料、審査要求事項の国際的ハーモナイゼーションを進めることが望まれるとしている。

また、審査の迅速化について、法改正や医薬品医療機器総合機構()の5か年計画によって「従来に比べて(迅速化が)進む。ただ、医機連としては、さらに進めてほしい。承認の予見性の向上を求めたい」と三澤氏。あわせて現在は企業の審査相談手数料や拠出金に頼っているPMDAの運用財源に関して、ガバナンスの観点や受益者負担の原則から、適切な水準の国費投入を求めた。「例えば、米国では企業からの財源と国からの補助がハーフハーフ。中小企業の手数料の見直しも必要ではないか」(三澤氏)

中尾会長「我々の仕事は、医療の新しい価値を届けること」

医機連会長の中尾氏は「(薬機法には)細かい課題がまだまだたくさんある。これから1つひとつ対応していかなくてはならない。運用レベルの問題解決を、医機連として行政と話し合いながらやっていきたい」と短期的な課題を語ると共に、長期的な展望も語った。「環境は整っているし、ものづくり力はある。ただ、利益の高い完成品、システム商品を作る総合力が弱い。もちろん、部品もものすごく大切だが、最終的には医療現場に価値を届けるものを作らなければならない。医療機器産業以外もそうだが『付加価値の道』を歩まなくてはならない」と、これからの医療産業界の方向性を示した。

また、行政の連携について、「医療費の削減は必要なことだが、医療の質の向上を本気で議論してほしい。我々の仕事は、医療の新しい価値を届けること。これを目指して、行政も議論していきたい」と語った。

▼外部リンク
日本医療機器産業連合会 ウェブサイト

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