非転移性または転移性去勢抵抗性前立腺がんにおいてビカルタミドと比較
アステラス製薬株式会社は5月18日、米メディベーション社と共同で開発・商業化を進めているアンドロゲン受容体阻害剤「エンザルタミド」(製品名:XTANDI/イクスタンジ)について、第2相STRIVE試験の新たなデータを発表した。この試験データは、米国・ニューオリンズで開催された2015年米国泌尿器科学会年次総会(AUA)のPlenary Sessionで発表された。
第2相STRIVE試験は米国において実施され、396例が組み入れられた。登録の内訳は、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)アナログによるホルモン療法あるいは外科的去勢術後に進行した転移性前立腺がん患者257例、非転移性前立腺がん患者139例。エンザルタミド160mgを1日1回投与した群と、ビカルタミド50mgを1日1回投与した群を比較した。主要評価項目は無増悪生存期間。ランダム化から画像診断上の進行(骨もしくは軟部組織)、前立腺特異抗原(PSA)値の増悪(Prostate Cancer Working Group 2 criteria)、原因を問わない死亡のうちいずれかの事象が最初に起こるまでの期間と定義されている。
無増悪生存期間の中央値、エンザルタミド群で19.4か月
発表によると、主要評価項目である無増悪生存期間において、エンザルタミド群ではビカルタミド群と比較して統計学的に有意な延長が認められたという。無増悪生存期間の中央値は、ビカルタミド群の5.7か月に対し、エンザルタミド群では19.4か月。副次評価項目である画像診断による無増悪生存期間、PSA値の増悪までの期間、PSA奏効率においても、エンザルタミド群ではビカルタミド群と比較して有意に改善した。
また、非転移性去勢抵抗性前立腺がん患者における無増悪生存期間の中央値は、ビカルタミド群では8.6か月、エンザルタミド群では解析時点で中央値にまだ達していない。転移性去勢抵抗性前立腺がん患者における無増悪生存期間の中央値は、ビカルタミド群の5.5か月に対し、エンザルタミド群では16.5か月だった。なお、STRIVE試験におけるエンザルタミド群の安全性プロファイルは、これまでに得られているエンザルタミドの安全性プロファイルと一致していたという。
今回の結果により、LHRHアナログにビカルタミドを併用する標準治療よりも、エンザルタミドを併用する方が治療成績を向上させることが示されたとしている。
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・アステラス製薬株式会社 ニュースリリース