医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医薬品・医療機器 > がん免疫治療における戦略的提携契約を締結-AZ社とセルジーン社

がん免疫治療における戦略的提携契約を締結-AZ社とセルジーン社

読了時間:約 1分35秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2015年05月13日 PM01:00

重症血液がん治療に関するPD-L1阻害剤開発で提携

英国のアストラゼネカと同社のグローバル医薬品研究開発部門であるメディミューンは4月24日、米国のセルジーン・コーポレーションと、非ホジキンリンパ腫、骨髄異形成症候群および多発性骨髄腫を含む一連の血液がんにおける「」の開発および商業化に関する独占的提携契約を締結したことを発表した。

MEDI4736は、プログラム細胞死リガンド1(PD-L1)に直接作用する、開発中の免疫チェックポイント阻害剤。PD-L1を介するシグナルにより、腫瘍は免疫システムから探知されるのを回避しているが、MEDI4736はこれらのシグナルを阻害することで、腫瘍の免疫からの逃避機構が働かないよう作用するという。

同剤は、非小細胞肺がんと頭頸部がんを対象とする第3相試験がすでに実施されている。このOCEANS臨床開発プログラムでは、肺がん領域全体における単剤療法およびCTLA-4 ()との併用療法の両方を評価。頭頸部がんにおいては、MEDI4736は、化学療法が奏効しなかった患者における単剤療法およびtremelimumabとの併用療法の両方が、PD-L1発現状況別に検討されているという。

今後、新薬候補が追加、拡大する可能性も

今回の契約のもと、セルジーン社はMEDI4736関連で、アストラゼネカに4億5,000万ドルの契約一時金を支払う。セルジーン社は提携期間中の全臨床試験における開発を主導。また、2016年末までは全研究開発費用を、それ以降は研究開発費用の75%を負担する。更に、セルジーン社は承認された治療薬の全世界における商業化の責任も負うという。一方、アストラゼネカはMEDI4736の製造を継続、その売上を計上し、血液学的適応症における全世界の売上に対するロイヤリティをセルジーン社に対して支払う。当初のロイヤリティ料率は70%だが、4年間では血液学適応症におけるMEDI4736の売上の約50%まで減少するという。

この提携では、MEDI4736の単剤療法ならびに、アストラゼネカおよびセルジーン社の開発中あるいは既存のがん治療薬との併用療法の両方が検討評価される。また、同提携によって、今後新薬候補が追加され拡大する可能性もあるとしている。

アストラゼネカはセルジーン社と共に、血液がんの治療に改革をもたらすため、患者の免疫システムを活性化する画期的な治療薬候補である抗PD-L1のポテンシャルを最大化するよう、抗PD-L1プログラムを設計していくと述べている。(横山香織)

▼外部リンク
アストラゼネカ株式会社 プレスリリース

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医薬品・医療機器

  • 2025年1月より社長交代で新たな体制へ‐アレクシオンファーマ
  • ミリキズマブの炎症性腸疾患に対する長期持続的有効・安全性データを公開-リリー
  • 転移性尿路上皮がん、一次治療における新たな選択肢への期待
  • 心臓ロボット手術用の部位を見やすく展開するプレートを開発-大阪公立大
  • 新たにオンコロジー領域に注力し「2031年までに年平均成長率8%を目指す」‐GSK