緊急時医療対策施設で訓練
福井市の県立病院で原発事故を想定した医療訓練が行われた。同病院は重症の被爆患者の搬送先に指定されている。2004年、美浜原発での配管破損事故では実際に治療に当たった。
(写真はイメージです)
救急医、看護師、放射線技師ら約60人がこの訓練に参加した。福島第一原発事故後に作業員の健康管理を担当した救命救急センター医長ほかが講師を務めた。
放射線の人体への影響、患者の治療上の留意点など講義を受けた後、放射性物質に汚染された患者が搬送されてきたという想定で実習があった。放射能汚染の拡大を防ぐシートの貼り方、器具・手術室の使い方を始めとして、防護服を着用しての患部洗浄など。放射線量を測る技師と医療者との連携も確認した。
指導した救命センターでは、さらにフィードバックを重ねて訓練を改善していくという。
緊急被ばく医療の原則
長浜市赤十字病院(滋賀県)では放射線被ばく医療対応研修を実施した。地域災害拠点病院の同病院に放射線医学総合研究所(千葉市)が協力したもの。
参加したのは、福井県の原発から50キロ圏内の病院に勤務する医師、看護師、消防士ら約65人。講師の同研究所の富永隆子医師は、福島第一原発事故時、原発から5キロの対策拠点で翌朝から対応した。
この場では緊急被ばく医療の原則が語られた。医療従事者の放射能汚染は防護服や手袋で防げること、被ばくした患者には汚染検査・除染より通常の医療を優先することなど。富永医師によると、放射線で即死したり放射能汚染が急性障害を起こしたりはすることはほぼないという。
同病院長は、湖北の放射線医療の向上が研修の目的としたうえで、「正確な知識を持って、正しく恐れることが大切」と話した。
▼外部リンク
読売新聞
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京都新聞
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