現・理研の神田忠仁氏が発明したHPVワクチンについて
武田薬品工業株式会社は3月10日、同社と公益財団法人ヒューマンサイエンス振興財団(HS財団)が締結していたヒト・パピローマウイルス・ワクチン(HPVワクチン)にかかる全世界における独占的実施権許諾に関するライセンス契約について、同契約に基づく全ての権利を同社から化学及血清療法研究所(化血研)に承継すると発表した。
契約の対象となったHPVワクチンは、国立感染症研究所で長年HPVワクチンの研究に従事し、現在、理化学研究所に所属している神田忠仁氏が発明したもの。2010年10月、武田薬品は、子宮頸がんの予防ワクチンの開発に関する契約をHS財団と締結し、前臨床の研究を実施していた。
今回の権利の承継に伴い、今後は化血研が同ワクチンの製品化に向け研究を実施することになる。
デング熱やノロウイルスなどのワクチン開発に注力
武田薬品は、2012年1月にワクチン事業部門「Vaccine Business Unit」を設立し、本拠を米国イリノイ州ディアフィールドに設置。現在、同ユニットは、デング熱やノロウイルスなどワクチンが存在しない領域における、世界で最も重要な課題に対するワクチンの開発に注力しているという。
同社のVaccine Business UnitプレジデントのRajeev Venkayya氏は、「化血研が本ワクチンの研究を実施することを歓迎します」とし、同権利の承継およびアンメットメディカルニーズを満たす他のワクチン候補を通じ、今後も日本と世界の公衆衛生に貢献していきたいと述べている。
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・武田薬品工業株式会社 ニュースリリース