B.ビフィダムY株を含む乳酸菌飲料の飲用試験を実施
株式会社ヤクルト本社は3月10日、一般成人を対象としたビフィズス菌「ビフィドバクテリウム ビフィダム YIT 10347」(以下、B.ビフィダムY株)を含む乳酸菌飲料の飲用試験を実施し、胃の不快症状を改善する効果が確認されたと発表した。この研究成果は米酪農学会誌「Journal of Dairy Science」の電子版に、1月30日付で掲載されている。
画像はニュースリリースより
日本人の4人に1人は胃痛や胃もたれなどの上腹部症状に悩まされており、日常的に飲用する食品でこれらの症状を改善することは意義があると考えられている。同社が開発したB.ビフィダムY株は、胃に効果が期待できるプロバイオティクスとして、これまでにピロリ菌活性抑制効果、胃粘膜傷害抑制効果、ピロリ菌陽性者および機能性消化管障害患者に対する胃不定愁訴改善効果が報告されている。
症状を持つ人の割合、症状数が有意に低下
対象となったのは、一般成人323人(男性167名、女性156人)で、平均年齢は、50.6±7.4歳。被験者は、B.ビフィダムY株を1本に10億個以上含む乳酸菌飲料を1日1本(100ml)、2週間飲用し、飲用前と飲用1週間後、2週間後に胃腸症状についてアンケート調査に回答した。その結果、試験前は胃になんらかの症状を持つ人が被験者全体の45%に認められていたが、B.ビフィダムY株を含む乳酸菌飲料の飲用によって、そのような症状を持つ人の割合が有意に低下。また、症状数も有意に低下するなど胃の不快症状が改善したという。
さらに、一般成人30人(男性26名、女性4名 平均年齢35.3±11.3歳)を対象に、二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験を実施。被験者を2つのグループに分け、B.ビフィダムY株を1本に10億個以上含む乳酸菌飲料またはプラセボ飲料を、飲用時期をずらすクロスオーバー法で1日1本(100ml)飲用してもらい、それぞれの飲用期間で、飲用前、飲用1週間後、2週間後に胃症状についてアンケート調査を行った。
その結果、B.ビフィダムY株を含む乳酸菌飲料の飲用期には、胃症状スコアが飲用前と比較して有意に低下し胃症状の改善が認められた。一方、プラセボ飲料飲用期では、飲用前後で症状スコアに有意な変化は認められなかったという。
同社は、この結果を受け、B.ビフィダムY株が、機能性消化管障害患者と同様に胃の不快症状改善効果が確認されたことで、患者だけでなく一般成人の胃の健康維持に広く役立つものと期待されるとしている。
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・株式会社ヤクルト本社 ニュースリリース