医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医薬品・医療機器 > レゴラフェニブの第3相試験で患者登録を中止、安全性の問題は認められず-独バイエル

レゴラフェニブの第3相試験で患者登録を中止、安全性の問題は認められず-独バイエル

読了時間:約 1分17秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2015年03月09日 PM03:00

肝転移切除後の大腸がん患者の登録が不十分なため

ドイツのバイエル ヘルスケア社は3月5日、肝転移切除後の大腸がんを対象とする「(R)」(一般名:)の第3相臨床試験について、患者登録が不十分なため、登録を中止すると発表した。

レゴラフェニブは、腫瘍の増殖や進行に影響する血管新生、発がんおよび腫瘍微小環境に関わるさまざまなキナーゼを阻害する経口マルチキナーゼ阻害剤。同剤は非臨床試験で、腫瘍血管新生に重要な複数のVEGF受容体(VEGFR 1-3)のチロシンキナーゼに対し、阻害作用を示すことが分かっていた。これらの阻害作用に加え、発がん、腫瘍増殖、腫瘍微小環境の形成や病勢進行に、単独あるいは複合的に影響を及ぼす複数のキナーゼも阻害することも判明している。

同剤は、転移性大腸がんの適応で、米国、欧州、日本など世界 70 カ国以上で製品名「Stivarga/スチバーガ」として承認されている。また、米国をはじめとする世界50か国以上で、消化管間質腫瘍(GIST:gastrointestinal stromal tumors)の適応でも承認されている。

目標被験者数750人に対して25人ほどの登録にとどまる

今回中止となったのは、無作為化、二重盲検、プラセボ対照第3相臨床試験で、根治的肝転移切除を行い、計画されたすべての化学療法を終了した後の大腸がんを対象に、レゴラフェニブについて検討をするもの。同試験では、補助療法としてのレゴラフェニブ160mg/日の経口投与がプラセボと比べ、無病生存期間(DFS:disease-free survival)と全生存期間(OS:overall survival)を延長するかどうかを評価するとしていた。

当初計画された目標被験者数750人に対して、これまでに25人ほどが登録されていた。しかし、同試験の症例集積が困難であったことから、試験の主要評価項目の解析前に今後の登録を中止することを決定したという。なお、同試験ではレゴラフェニブの新たな安全性の問題は認められていない。

▼外部リンク
バイエル薬品株式会社 ニュースリリース

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医薬品・医療機器

  • 2025年1月より社長交代で新たな体制へ‐アレクシオンファーマ
  • ミリキズマブの炎症性腸疾患に対する長期持続的有効・安全性データを公開-リリー
  • 転移性尿路上皮がん、一次治療における新たな選択肢への期待
  • 心臓ロボット手術用の部位を見やすく展開するプレートを開発-大阪公立大
  • 新たにオンコロジー領域に注力し「2031年までに年平均成長率8%を目指す」‐GSK