細径化により、検査時の患者の身体的負担を軽減
富士フイルム株式会社は2月12日、新たなダブルバルーン小腸内視鏡「EN-580XP」を、富士フイルムメディカル株式会社を通じて発売することを発表した。スコープ先端部外径7.5mmの細径化を実現したことで、検査時の患者の身体的負担を軽減するという。
画像はプレスリリースより
小腸は、全長が6~7mで口からも肛門からも遠いため、スコープの挿入が難しく、内視鏡検査が困難とされてきた。富士フイルムでは、2つのバルーンを使用し、小腸内でスコープを少しずつ進ませるダブルバルーン小腸内視鏡を平成15年に世界で初めて発売。これにより、小腸全域を容易に検査・処置することが可能になった。
その後、スコープ先端部外径8.5mmの汎用スコープ「EN-450P5/20」や、鉗子口径を3.2mmに拡大させて処置具の抜き差しを容易にした処置用スコープ「EN-580T」をラインアップに追加。小腸疾患の早期発見・治療をサポートする内視鏡として、多くの医療機関に利用されているという。
独自の画像センサーと新設計のレンズで、近接でも明瞭な画像を取得
今回発売するダブルバルーン小腸内視鏡「EN-580XP」は、スコープ先端部外径7.5mmの汎用スコープ。従来機よりも1mm細径化することで、検査における患者の身体的負担を軽減する。また、クローン病などで腸管に狭窄が生じている部分に入り込みやすくなることが期待でき、より低侵襲な内視鏡検査を行うことができるという。鉗子口径は従来機と同じ2.2mmを確保。体液などの吸引性能と生検鉗子などの処置具の操作性能を維持した。
さらに、高解像度と低ノイズを両立する独自開発の画像センサー「スーパーCCDハニカム(TM)」と新設計のレンズを搭載。狭い小腸管内の観察に適した近接(2mm~)でもピントが合った明瞭な画像が得られるため、従来よりも詳細な粘膜の観察が期待できるという。また、バルーンと同製品専用のオーバチューブの素材には、新たにシリコーンゴムを採用している。
同社は、今回発売するダブルバルーン内視鏡システムをはじめ、レーザー内視鏡「LASEREO」システムや経鼻内視鏡など独自の技術で、疾患の早期発見・治療と患者負担の低減を目指し、製品開発、ラインアップ拡充を進めていきたいとしている。
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・富士フイルム株式会社 ニュースリリース