栽培から加工・保管までの一貫した生産拠点に
株式会社ツムラは1月30日、北海道夕張市にある子会社の株式会社夕張ツムラが「農業生産法人」へ移行、自社農場運営を本格化に開始したことを発表した。同社では、生薬倉庫を増設するほか、滝川農場を現在の60ヘクタールから約150ヘクタールへ拡大。また、北海道内の契約栽培団体・農家との連携の強化も並行して進める予定で、生薬の栽培から加工・保管までを一貫して行う生産拠点となる見込みだ。
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ツムラでは、漢方製剤の原料となる生薬を中国から約80%、日本で約15%、ラオスなどから約5%調達。日本国内では、農林水産省が推進する6次産業化を見据え、原料生薬の栽培・収穫だけではなく、加工・販売を含めた一元的な内容で栽培契約を締結。収穫した生薬は全量買い取りを行うため、生産者の計画的な安定収入につながることがメリットとなり、従来の農業と原料生薬の栽培を並行して行う若手の生産者も増加。国内生産者は2008年からの5年間で約1.7倍に増えている。
夕張を北海道における生薬の一貫生産拠点に
ツムラでは北海道、岩手、群馬、和歌山、高知、熊本を契約栽培拠点とし、国内栽培の拡大を行っている。北海道では、川芎(センキュウ)、蘇葉(ソヨウ)、当帰(トウキ)、附子(ブシ)など数種類の生薬を栽培。2013年度の調達実績は約600トンとなっている。
夕張ツムラは、北海道における生薬の一貫生産拠点として、栽培指導・調達・調製加工・保管を担うほか、生薬栽培・栽培効率化の研究、種苗生産も行っている。今回の農業生産法人化ならびに施設の拡大で、道内産地への品質改善指導が迅速に行えるようになる。
▼外部リンク
・株式会社ツムラ ニュースリリース