女性医師が働き続けやすい環境整備の在り方を議論
厚生労働省は1月23日、これまで議論を重ねてきた「女性医師のさらなる活躍を応援する懇談会」についての報告書を取りまとめ、公表した。
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現在、医学部生の約3分の1が女性であり、これからの医療現場においては、女性医師さらなる活躍が期待されている。しかし、女性医師の中には、妊娠・出産等によりキャリアを中断せざるを得ない場合があり、女性医師が働き続けやすい環境整備の在り方が課題となっていた。
こうした中、平成26年6月に改訂された「日本再興戦略」において、女性医師が働きやすい環境の整備を図るため、「女性医師による懇談会の設置」が盛り込まれた。これを受けて、現場の課題や取り組みの工夫の在り方などを検討し、女性医師がライフステージに応じて活躍できる環境整備をさらに進めていくため、厚生労働事務次官の下、「女性医師のさらなる活躍を応援する懇談会」を新たに発足。2014年8月から、3回の懇談会と1回のシンポジウムを開催し、議論を重ねてきていた。
安全かつ継続的な医療を提供していくために
今回まとめられた報告内容では、まず「女性医師を取り巻く状況」として、これまで女性医師が少なかった診療科や職場、指導医や管理者においても、その割合が増えることが予想されると提示。
また「女性医師が働き続けやすい環境整備を進めるにあたっての視点」として、“医療の質を確保し、患者に必要な医療を安全かつ継続的に提供していくためにも、この環境整備は重要である”ということを強調した。また、女性医師を支援するにあたっては、妊娠や出産等のライフイベントにかかる負担軽減を含めた職場の環境整備を進めるとともに、モチベーションを維持・向上しながら自らの希望するキャリア形成を図り、医師として社会的役割を果たしていくという視点が必要であると提起。さらに、性別や職種を問わず、医療従事者全体の勤務環境の整備と調和することが大切である、とまとめている。
そして「ライフイベントを抱える医師への包括的支援」としては、現在実施されている具体的な事例なども出しながら、大学や学会、医療機関や保育所、また国や都道府県などができる取り組みや工夫などを多数提案した。
同懇談会では今回の報告書について、現場の取り組みに活用してもらうため、同時に公表した事例集も含めて、医療機関や都道府県、関係団体に対して広く周知していくとしている。
▼外部リンク
・厚生労働省 報道発表資料