近年注目されるバイオエレクトロニクス技術を用いた医療
グラクソ・スミスクラインは1月9日、日本でのバイオエレクトロニクス研究に関し、東京都健康長寿医療センターと共同研究契約を締結したと発表した。
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バイオエレクトロニクス技術を用いた医療は、近年注目されている科学分野で、同社は2013年以降、この分野における研究を積極的に進めてきた。この技術によって、将来的には錠剤や注射ではなく、小型の移植可能な医療機器という新しいクラスの治療をもたらす可能性を有しているという。
例えば、体の神経を伝わる電気信号を読み取り、修正するように医療機器をプログラミングすることで、炎症性腸疾患、関節炎、喘息、高血圧、そして糖尿病などの多種多様な疾患を治療できるようになることが期待されるという。
堀田テーマリーダーの研究経験を基にプロジェクトを進行
同社はこれまでに世界各国、25の学術機関とバイオエレクトロニクス研究に関する提携関係を締結してきた。今回の共同研究は、同社のバイオエレクトロニクスR&D部門と、日本の研究コミュニティとの間の初の事例となり、東京都健康長寿医療センターの堀田晴美テーマリーダーとのプロジェクトを進めていくという。
今回の共同研究では、神経測定および臓器機能を同時に調べるという、堀田テーマリーダーの研究経験を基に進められる。神経が体内での特定のホルモン分泌をどの程度制御しているのかを調査し、将来のバイオエレクトロニクス技術によって、ホルモンレベル異常などの疾患を持つ患者の健康を回復することができるかどうかの概念実証試験を行うという。これは、将来的にバイオエレクトロニクス技術開発の治療仮説についてのきわめて重要な試験としている。
GSKバイオエレクトロニクスR&D部門のバイスプレジデントであるクリス・ファム博士は、プレスリリースで
と述べている。(遠藤るりこ)
▼外部リンク
・グラクソ・スミスクライン株式会社 プレスリリース