皮膚科での適切な治療が必要な「にきび」
マルホ株式会社は2014年12月26日、過酸化ベンゾイル(BPO)を有効成分とする「ベピオ(R)ゲル2.5%」について、尋常性ざ瘡の効能・効果で製造販売承認を取得したことを発表した。
この画像はイメージです
尋常性ざ瘡は、一般に「にきび」と呼ばれる慢性炎症性疾患だが、日本では皮膚疾患という認識が低く、一般用医薬品、医薬部外品や化粧品によるセルフケアが広く行われている。しかし、顔面を好発部位とすることから整容的な側面でQOLを大きく低下させ、また、悪化すると瘢痕が残り治療が困難になるため、皮膚科での適切な治療が必要とされる。
強力な抗菌作用を持つBPO含有製剤
BPOは、尋常性ざ瘡の原因菌であるP. acnesに対する抗菌作用があり、また、角層剥離を促進するため、炎症性皮疹および非炎症性皮疹に対して効果が期待できる成分だ。1960年代から多くの国で尋常性ざ瘡の治療に使用され、欧米の治療ガイドラインにおいては標準的な治療薬として位置づけられている。また、長年にわたり海外の臨床現場で使用されているが、未だP. acnes耐性菌の発現報告はなく、既存の抗菌薬耐性菌に対しても抗菌作用が認められているという。
これを受けて、日本皮膚科学会は2010年、BPOを将来懸念される抗菌薬に対する耐性菌問題の回避に必要なざ瘡治療薬のひとつとして位置づけるとともに、その有効性や副作用を考慮し、医師の管理下で使用する薬剤として扱われるよう、医療用医薬品として早期承認を求める要望書を厚生労働省に提出。ベピオゲルは、マルホがこの要望に応えるために国内開発したBPO含有製剤である。
皮膚科学領域に特化するマルホでは、これまでにも化膿性炎症を伴うざ瘡等の治療における内服抗菌剤として、経口用ペネム系抗生物質製剤「ファロム(R)錠」の販売や、 にきびに悩む患者への情報提供サイトの運営などを行っている。さらに今回のベピオゲルが、尋常性ざ瘡に悩む患者の新たな選択肢として貢献できるものと、同社では期待を寄せている。(横山香織)
▼外部リンク
・マルホ株式会社 ニュースリリース