進行・再発の結腸・直腸がん治療薬として
大鵬薬品工業株式会社は2014年12月24日、現在グローバルで開発中の抗悪性腫瘍剤「TAS-102」(一般名:トリフルリジン・チピラシル塩酸塩)について、FDAへの新薬承認申請のローリング・サブミッション(段階的提出)を現地時間12月19日に完了したことを発表した。
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結腸・直腸がんは、世界で3番目に患者数の多いがんであり、2014年には米国で136,830名が結腸・直腸がんと診断され、50,310名が死亡すると推測。欧州では2012年のデータで2番目に患者数の多いがんであり、447,000名が結腸・直腸がんと診断され、215,000名が死亡したと推測されている。
日本では2014年5月から世界に先駆けて発売
今回申請されたTAS-102は、トリフルリジン(FTD)とチピラシル塩酸塩(TPI)を配合した経口のヌクレオシド系抗悪性腫瘍剤。FTDはDNAの複製時にチミジンの代わりに直接DNA鎖に取り込まれ、DNAの機能障害を引き起こして抗腫瘍効果を発揮すると推測されている。TPI はFTDの分解に関与するチミジンホスホリラーゼを阻害し、FTDの血中濃度を維持するという。
同剤は2014年9月12日にFDAよりファスト・トラックの指定を受け、10月16日にローリング・サブミッションの最初の提出を実施。この申請は、標準化学療法に不応・不耐となった治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん患者800名を対象に実施した国際共同第3相臨床試験の結果に基づいている。同試験においては、TAS-102投与群はプラセボ投与群に比較して全生存期間を有意に延長し(HR=0.68、p<0.0001)、主要評価項目である全生存期間の延長目標を達成。また、安全性面において特に問題となるような事象は観察されなかったとしている。
なお日本では、国内第2相臨床試験結果に基づき、「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌(標準的な治療が困難な場合に限る)」を効能・効果として、「ロンサーフ(R)配合錠T15・T20」の製品名で、2014年5月に世界に先駆けて発売されている。(横山香織)
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・大鵬薬品工業株式会社 ニュースリリース