白金製剤を含む化学療法よりPFSを有意に改善
米ファイザー社は12月3日、前治療歴のないALK陽性進行非小細胞肺がん(以下、非小細胞肺がんを「NSCLC」と略記)患者を対象に、未分化リンパ腫キナーゼ阻害剤である「ザーコリ」(一般名:クリゾチニブ)を評価する第3相試験(PROFILE1014試験)の結果を発表した。
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ザーコリ250mgを1日2回投与することにより、標準治療である白金製剤(プラチナダブレット)を含む化学療法と比較して、無増悪生存期間(PFS)が有意に改善することが明らかになったという。また、有害事象はザーコリの既知の安全性プロファイルと同様だったとしている。
なお、この結果は「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)」12月4日号に掲載されている。
すでに日本を含む75か国で承認済み
ザーコリは、ALK融合遺伝子陽性の局所進行または転移性NSCLCの治療薬として、米国で初めて承認。現在ではオーストラリア、カナダ、中国、日本、韓国、EUなど75か国で承認されている。
PROFILE1014試験は、前治療歴のないALK陽性進行NSCLC患者を対象とした、ザーコリの有効性と安全性を評価する国際共同第3相無作為化非盲検比較試験。試験では合計343例がランダム化され、約半数がザーコリ群、もう半数が白金製剤併用化学療法群に割り付けられたという。
この試験の結果を受けて、ファイザー株式会社の取締役 執行役員 オンコロジー事業部門長の中村誠氏はプレスリリースで、
「この結果により、ザーコリが、セカンドラインだけでなくファーストラインとしてもALK陽性進行非小細胞肺がんの確固たる標準治療薬であることが証明されたといえます。2015年も、医療関係者への適正使用推進、特に副作用マネジメントに役立つよう情報収集・提供に尽力し、本剤を必要とする患者さんへの還元に貢献してまいります」
と述べている。(横山香織)
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・ファイザー株式会社 プレスリリース