日本緩和医療学会副理事長の木澤義之氏(神戸大学病院緩和支持治療科診療科長)は1日、大阪市内で講演し、日本の緩和ケアの課題について「専門的緩和ケアサービスの量と質が十分に担保されていない」と指摘した。患者がいつでも、どこでも、質の高い緩和ケアを受けられるように、その拡充が必要と語った。
専門的緩和ケアは、[1]がん診療拠点病院の緩和ケアチーム[2]緩和ケア病棟[3]在宅緩和ケア――の三つの形態で提供されている。木澤氏は、これらでカバーしているのはがん患者の約35%に過ぎず、「約65%は専門的な緩和ケアを受けていない」と述べ、その拡充を求めた。