早産児の母親の意識はどこに
グローバル調査結果から、早産児の母親は乳児の呼吸器をめぐるリスク因子について十分に認識していないことがわかってきた。世界19か国で実施した調査で明らかになったのは、早産児の母親の85%(日本では74%)が、早産に伴う合併症の情報を有益だと考えていること。母親の62%(日本では53%)は、早産児の合併症の可能性をもっと詳しく知りたいと答えている。
では母親は実際にどこまで呼吸感染症のリスクを理解しているのか。出産時の在胎齢が呼吸感染症のリスク因子になる可能性がある、と知っている母親はわずか50%(日本でも50%)にすぎない。就学年齢の兄姉がリスクになり得ると考えている母親は41%(日本では23%)。 家族に4人以上の同居者や訪問者があったとき、そのこと自体がリスクになると考える母親は26%(日本では17%)だった。早産児の母親はあまりにもリスクを知らない。
早産児をリスクから守るには
「肺と免疫系の発達が不十分な早産児は、RSウイルスなどの病気による呼吸器感染症のリスクが大きくなる。リスク因子について両親が知識をもっているのかを確認することが重要だ」と世界周産期学会会長のザビエル・カルボネール・エストラニー博士は言う。
国際新生児看護協会(COINN)では、病院や地域社会で早産児の母親をサポートしている医療従事者なら、乳児の呼吸器感染症の予防を母親に啓発していけるのではと考えている。手洗いを徹底することに始まり、喫煙者や、呼吸器感染症にかかっている可能性がある家族、知人に乳児を近づけないことに母親の注意をもっと向ける必要がある。
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