遠隔画像診断を可能にしたシステム
富士フイルムは、救急医療をサポートする遠隔画像診断治療補助システム「「SYNAPSE ERm(シナプス イーアールエム)」を12月10日に発売する。これは、院外にいる専門医にスマートフォンで患者の検査画像や診療情報を送信できるシステム。ちなみに商品名の「ER」は救急救命室(Emergency Room)、「m」はMobileを意味している。
同社は昨年6月に発売した「i-Stroke(アイストローク)」で、脳卒中の緊急医療を遠隔画像でサポートするシステムを実現。脳卒中は迅速、適切な処置が必要とされ、脳梗塞では発症から数時間以内の治療が予後に大きく影響する。「i-Stroke」は患者の意識状態や心電図モニターの波形の情報を送信することで、医療現場スタッフが外部の専門医のアドバイスを受けやすくしたもの。この製品は、優れた新製品を表彰する「2011年日経優秀製品・サービス賞 優秀賞 日経産業新聞賞」を受賞した。
現場での使いやすさにこだわった機能
新製品の「SYNAPSE」では、登録した専門医に一斉に配信できる「緊急コール」で緊急時連絡に対応する。検査画像、医師のコメント、処置の状況を時間経過で示す「タイムライン表示」機能で、医療スタッフ全員が検査、診断、治療の情報を共有。「生体モニター情報連携機能」で受け取るデジタルデータは高画質なので、モバイル端末でも波形データが確認可能。波形や血圧情報はさかのぼって見られる。
院外の専門医からのアドバイスは手入力でも音声入力(ディクテーション)でもコメントの形になる。「脳卒中治療ガイドライン」をはじめ、心疾患、周産期医療などのウェブサイトがブックマーク登録、閲覧できる。加えて、緊急性の高い小児急性中耳炎の重症度や顔面神経麻痺のチェックリストを端末で表示できる。いずれも、救急治療の現場での使いやすさを重視して搭載している。
富士フイルムは、今後も機能を拡充させ、心疾患、周産期救急医療のサポートを強化していく計画だ。
▼外部リンク
富士フイルムニュースリリース
http://www.fujifilm.co.jp/